小松川女子高生殺し事件
(昭和33年発生)


8月21日
 8月17日から行方不明の都立高校2年生の女子生徒が、同都立高校屋上スチーム管暗きょの中で腐乱死体で発見された。
 これは前日読売新聞社に、この日の朝警察署に若い男の声で「少女を絞め殺して高校屋上の物置、南から2番目の暗きょうに投げ込んだ」との怪電話があったため。

8月24日
 葬儀中の少女宅へ被害者がさしていたクシが郵送されてきた。宛名は父親あてで比較的細いペン字で丁寧に書いてあった。

8月28日
 読売新聞社に「オレが真犯人だ。オレがやったのは計画的な完全犯罪だ」との電話。犯人は「他にも殺しを一つやっている」とほのめかしている。

9月1日
 午前4時45分、工員で定時制高校(被害者と同じ)1年の少年(18歳)を強盗殺人で逮捕、同人は間もなく犯行を自供。午後1時50分頃、調べ室から留置場に降りてきた少年はカメラマンのフラッシュの集中攻撃の中でうす笑いを浮かべてポーズをとった。
 自供によると8月17にち泳ごうと思い高校のプールに要った折、屋上で少女に話しかけ、自分が持っていたナイフで脅してやろうと思いナイフを突きつけ、青くなった少女のの前で、自分の右手を傷つけ血を出したところ、大声を出したので首をしめた、というもの。
 少年の取調は追求という雰囲気は少しも見られず、同人はいたって冷静、朗らかで好物のキツネうどんを食べながら終始スラスラと答えていたという。「殺したいという気持ちは全然なかった」、「いまだに少女を殺してしまったような気はしない」といっている。

9月10日
 一部報道機関が少年を実名報道

9月
 4ヶ月前の4月21日に自宅から100メートルほど離れた家に住んでいた賄い婦田中せつ子さん殺しも自供

34年2月
 死刑判決

36年8月
 最高裁上告審棄却

37年1月
 仙台刑務所で死刑



戻る