小松川女子高生殺し事件




 今から40年も前の昭和33年、人々を震撼させた事件がありました。それが小松川女子高生殺し事件です。報道機関に女子高生を殺し捨てた旨を伝える電話、高校屋上スチーム管暗きょの中で腐乱死体で発見、葬儀の最中に郵送された被害者のクシ、更に新聞社に「オレが真犯人だ。オレがやったのは計画的な完全犯罪だ。もう1人殺している」との犯行声明、そして逮捕されたのは18歳の定時制高校の少年。その少年は取調にいたって冷静、「いまだに少女を殺してしまったような気はしない」と述べながら犯行を自供。一部報道機関が少年を実名報道、そして・・・・・。
 神戸児童殺人事件の真相が明らかに、さらにマスコミの取り上げ方が過剰になるにつれて、この小松川女子高生事件のことが神戸児童殺人事件とオーバーラップしてきます。時代背景は全く異なりますが、とても類似していると思われます。
 小松川女子高生殺し事件の動機は差別と貧困であったと言われています。この事件に神戸児童殺人事件が類似しているとすると豊かで平等になったと言われる現代日本ですが、神戸の少年の心に何かに対する差別感や焦燥感があったのではと考えます。


小松川女子高生殺し事件詳細

(1)小松川女子高校生殺し事件の動機、背景を考える

 小松川高校殺人事件の少年は、知能指数が高く、古典文学を愛し、中学時代には、生徒会委員長に選出されたり、弁論大会で入賞したりと優秀な生徒であった。
 しかし韓国人として貧しい家に生まれ、同級生から差別的な扱いを受けてきて、優秀な成績であるにもかかわらず中学卒業時には就職は難航を極め、何度も面接で落とされやっと旋盤見習いとして就職が決まっている。
 非行についても中学3年生時に先生の持ち物を万引き、就職後は、他人の家で現金を盗んだり、自転車を盗んだり、図書館で本を盗んだりと非行を重ね、さらには工場の経営者の娘にいきなり抱きつき、クビになった経験も持った。
 少年が、女性2名を殺害するに至った原因は、本人の供述からもはっきりしないが、東京工業大学宮城音弥氏が昭和33年当時次のように分析している。
「自分の犯行だと主張するためには電話をかけた点など、自己を誇示しようという"顕揚欲"の現れともいえるが、むしろ"情性欠如性格"と思われる。この性格は同情や、しゅう恥心、後悔、良心などが欠けているもので、本人には、相当以前から、このような性格異常があった。この犯罪の原因も、テレビや小説の影響などにより性格的なものが根本だろう。
 ではなぜ異常性格になったかといえば、先天的な原因のほか、環境がある。まず犯罪の多い家に育ったこと。民族的なしこりも相当深かったのではないだろうか。中学校のとき"奴隷解放"の題で弁論大会に出たことは、この劣等感を裏付けているかもしれない。しかも一方に、自分の頭脳は優れているという自覚があれば、緊張も高まるわけだ。いわば、心の中に感情のうっ血が高まる。
 この高まった緊張が、何かのチャンスで表面化する場合が多い。それはとくに攻撃的な形で現れる。通常だと、良心とか、自分が損をするだろうなどと考えてブレーキがかかったり、または内面化するのだが。
 攻撃が犯罪として表面化するには
    ○先天的素質
    ○青春期にあること
    ○社会的条件
などがある。
 社会的条件とは、たとえば暴行が横行する世相というような意味で、これらの3つがミックスしている場合も、またどれかがとくに強く働いている場合もある。このようなコンプレックス、緊張、暴力的傾向からいって、殺すために殺したのではないだろうか。
 また本人は、フィクションの世界で満足できない性格らしい。普通ならば、テレビだとかスリラー小説で満足するのだが、感情のうっ血と性格異常のために、凶行に出たのではないか」(「週刊朝日の昭和史第3巻」から引用)

(2)「新聞をみると案の定・・・のことが報じてあった」
 こんどの小松川女子高校殺しの犯人は4月にも東京小岩のたんぼ道ですれ違った帰宅途中の女工員田中せつ子さんを発作的に絞殺した疑いが強い。彼の「随想録」と称する日記帳には「新聞をみると案の定、田中せつ子さんのことが報じてあった。現場は自宅から百メートルと離れていない」などと書いてある。自分のやったことの反響に興味を抱いているが、犯した罪の恐ろしさには悶々とした様子など少しも見あたらない。当局の捜査が行き悩んでいるとみると「おれは完全犯罪をやった」と電話で捜査陣をあざ笑うといった調子だ。常識では想像できないような彼らの心理や行動の裏には何かが欠けている。「一種の道徳不感症が高校生犯罪の共通性となっているようだ」と当局も指摘している。
(昭和33年9月3日 毎日新聞 引用)



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2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3.戦前は親殺しの時代
4.戦前は老人殺しの時代
5.戦前は主殺しの時代
6.戦前はいじめの時代
7.戦前は桃色交遊の時代
8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
 9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代




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