昭和34年(1959)の少年犯罪





昭和34年(1959).1.1〔中3が年賀状1000通を川に捨てる〕
 静岡県盤田郡で、郵便局のアルバイトの中学3年生(15)が、年賀状1000通を川や農業用水に投げ捨てていた。面倒くさいから。


昭和34年(1959).1.4〔高1がペンフレンド刺殺〕
 山形県東田川郡の神社で、高校1年生(17)が看護婦見習い(16)の後頭部をナイフで五回刺して殺害、逃走したが翌日逮捕された。中学の一年後輩で、卒業後に文通を続けており、この日は初めてのデートだった。吃音を軽く笑われたのでカッとして殺したと自供したが、日記には自殺すると書かれており、また可愛がっていた猫をナイフで刺し殺したことを文学的に綴ったりしていたので、異常性格から無理心中を謀ったものと見られている。


昭和34年(1959).1.5〔高2が祖母を空気銃で射殺〕
 茨城県稲城郡の自宅で、高校2年生(17)が空気銃で祖母を射殺。弾が入っていないと思い込んで引き金を引き、頭を撃ったもの。


昭和34年(1959).1.7〔17歳が雇い主を強盗殺人〕
 東京都品川区の竹皮卸商宅で、住み込み店員(17)が主人(22)とケンカしてナイフでめった刺しにして預金4万4千円を引き出して逃走、2.7に大分県で逮捕された。


昭和34年(1959).1.9〔19歳が麻薬密売〕
 東京都小金井市で、少年(19)が麻薬密売で逮捕され、自宅からヘロイン35グラムが押収された。昨年8月から夜の女に麻薬を売って一日3万円も稼いでおり、これまで自宅に10数回も警察の手入れを受けていたが、井戸に隠してまぬがれていた。


昭和34年(1959).1.10〔高1ら2人が電車内で刺傷〕
 静岡県吉原市の県立高校1年生(15)2人が、走行中の湘南電車内で、違う県立高校の3年生(16)の顔と太ももをナイフで切って3週間の傷害を負わせた。生意気だと因縁を付けたもの。


昭和34年(1959).1.12〔18歳が少年院で殺人未遂〕
 神奈川県横須賀市の少年院で、少年(18)が少年(19)の頭や背中をツルハシで殴って重体とした。朝食の食器を洗わないことを注意されて、農作業中に復讐のため殺そうとしたもの。


昭和34年(1959).1.12〔2歳女子がガスをいたずらして祖母と次女殺害〕
 京都府京都市の会社員宅で、長女(2)がガスで祖母(68)と次女(1)を中毒死させ、長女も重体となった。日頃からガス栓を開けてシューという音を聞くいたずらをしていた。


昭和34年(1959).1.12〔小6が引き籠もってガス自殺〕
 兵庫県神戸市の自宅で、小学6年生(12)がガス自殺した。両親が3年前に病死して姉に育てられていた。友達がおらず、「不良がいじめる」と11月から学校に行っていなかったが、昼間働いている姉は気づいていなかった。


昭和34年(1959).1.15〔小2が首つり自殺〕
 香川県三豊郡の自宅で、小学2年生(8)が首つり自殺した。母親に叱られて。


昭和34年(1959).1.16〔19歳ら3人が元刑事殺人〕
 神奈川県横浜市のバーで深夜1時、3人組(19,23,26)が元刑事の土建業手伝い(48)に「生意気だ」とからみ、土手に連れ出してカミソリで殺害、死体を川に捨てたが、翌日逮捕された。


昭和34年(1959).1.18〔中1女子ら母子が父親の愛人殺害〕
 京都府舞鶴市で、中学1年生女子(12)が、母親(38)、祖母(61)と三人で、父親の愛人(37)を殺害、すぐに補導された。別れようとしないために去年の八月から母親は夫の殺害を計画していたが、娘のためを思って急遽、愛人を殺すことにして愛人宅を訪ね、娘が暴れる愛人の手足を押さえ、母親と祖母が包丁と斧で、頭、胸、腹など九ヶ所を滅多突きにしたもの。父親は自衛隊員。


昭和34年(1959).1.23〔17歳ら4人が空巣などをしながら日本一周〕
 神奈川県横浜市の無職(17,18)4人が、空巣、引ったくりなど31件約50万円を稼いで捕まった。盗んだ金で日本一周を目指し、手記を書きながら関西などを巡っていた。俳優のフランキー堺が一家揃ってテレビ出演をする日を狙って留守宅の強盗も計画していた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).1.25〔19歳がムシャクシャして放火〕
 東京都葛飾区青戸町の無職(19)が放火をして捕まった。中卒後にプレス見習い工として働いていたが長続きせず、職を転々。そのことを周囲の人から馬鹿にされ、あっと言わせることをしようと昭和32年10月に放火して捕まり、精神異常に近いと医療少年院に送致、5日前に退院したが職が無く、求人張り紙の工場の場所が見つからなかったので「張り紙まで馬鹿にしている」とムシャクシャして犯行に及んだ。「少年院に行けるから気楽になった」と話している。


昭和34年(1959).1.26〔高1ら36人の不良グループが生徒130人をゆする〕
 福岡県福岡市の私立高校で、不良グループ「竜若一家」36人のうち、3年生(22)、停学中の1,2年生8人、退校生2人の計11人が脅し、暴行の疑いで捕まった。アパートを借りて酒やタバコを飲み、桃色遊びをしていた。遊興費は同校生徒を脅すなどして捻出。被害生徒は判明しただけでも130人、被害額は約6万円、時計やコートなども脅し取られていた。警察に届出をしたことへの復讐を恐れて不登校が続出した。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).1.26〔小6が教室放火〕
 大阪府枚方市の小学校で、6年生(12)が12.26に教室を放火し、捕まってこの日に自供した。農家の3男で、教師の机の引き出しにマッチがあったので、人が騒ぐだろうと火を付けたもの。成績が悪く友達もいなかった。


昭和34年(1959).1.27〔荒川通り魔・女性21人殺傷〕
 東京都荒川区の路上で、自転車に乗った15,16歳の少年が、1時間のうちに女性9人を襲って1人を殺害した。
 夕方6時過ぎに小学5年生女子(10)の肩をナイフで突いて1週間の傷害を負わせ、7時15分に少女(18)の左胸を刺して重体、女性(23)の左胸を刺して10日間の傷害、中学2年生女子(13)の左胸を刺して1週間の傷害、中学3年生女子(16)の胸を刺して即死させ、女性(20)の胸を刺して1週間の傷害、女性(22)の胸を刺して10日間の傷害、少女(17)の左胸を刺して1週間の傷害、高校1年生女子(16)の左胸を刺して1週間の傷害。1.20から出没、被害は21件。3日後に被害者や遺族宛に「こんどはきっと殺す」などの脅迫状が送りつけられ、また自分が犯人だと警察にいたずら電話して逮捕される者もいた。迷宮入り。


昭和34年(1959).1.28〔17歳が映画に興奮して刺す〕
 茨城県古河市の映画館で「暗黒街の顔役」を上映中、17歳の少年が突然前の席に座っていた友人の工員(16)の背中をナイフで刺し、重傷を負わせた。「映画に興奮してやった」と自供。


昭和34年(1959).1.29〔18歳秋田の通り魔〕
 秋田県秋田市の路上で、無職(18)が女店員(21)の顔と手を切って2週間の傷害を負わせ、10分後に女性(49)の顔を切って重傷を負わせ、翌日、逮捕された。秋田高校を卒業して受験勉強のやりすぎで精神異常となっていた。凶器は拾ったスプリングだった。


昭和34年(1959).1.29〔高校教師が娘をせっかん死〕※参考
 神奈川県川崎市の自宅で、成城高校理科教師(42)と妻(32)が長女(5)をせっかん殺害した。おもらししたのを怒って何度も殴ってフロに沈め、硬脳膜下出血で死亡させたもの。3年前に養女にして、手足の爪を全部はがすなど、せっかんを繰り返していた。東大理学部卒。横浜地裁は懲役2年6ヶ月の判決。


昭和34年(1959).1.31〔少年院収容少年の3割が「精神異常」 毎日新聞引用〕
 少年院に収容されている保護少年の3割近くが精神異常者だという事実が法務省矯正局の調査で明らかになった。この調査は昨年末全国61ヶ所の少年院(医療少年院もふくむ)の在院者9887人について行なわれたもの。調査の結果によると、精神障害者は全非行少年の27.2%で、普通の精神状態の正常少年はわずか9.9%。このアンバランスは最近の非行少年の特徴的な傾向といわれ“異常"と“正常"との中間は“準正常"によって占められている。精神障害者を男女別にみると男26.3%に対し、女34.8%と1割近く多くなっている。しかし凶悪な犯罪傾向は男の方が多い。
(毎日新聞1・31)


昭和34年(1959).1.31〔少年犯罪の温床、簡易旅館 朝日新聞引用〕
 警視庁でこの1年間、旅館を犯罪の場にして捕まった少年少女は791人。利用した旅館はホテル2、普通旅館105、簡易旅館199で、簡易旅館の約4割が犯罪とかかわりあいがある。犯罪の内訳は、桃色遊びが半数、盗みが2割、以下暴行、脅し、強盗、売春などが目立つ。17歳の利用が最も多く、最低は12歳の小学生少女2人だった。簡易旅館はベッドハウスとも呼ばれ、一泊70円から150円。都青少年問題協議会では、業界の自粛を要請する。
(朝日新聞1・31)


昭和34年(1959).2.1〔18歳らストーカー2人が女子高生を誘拐レイプ〕
 東京都文京区の高校2年生女子(17)に交際を迫ったが断られた無職男(21)と無職少年(18)が、女子高生が家を出たところを無理やりタクシーに押し込み地下鉄大手町駅の入り口で「カタワにしてやる」と殴る蹴るの暴行を加え、旅館などを連れ廻したが3日目になっても言うことを聞かないので「ほかの男と口がきけなくしてやる」と唇の下をナイフで切り、池袋の旅館でレイプ、4日に救出された。


昭和34年(1959).2.1〔17歳がカップルを強盗殺人〕
 神奈川県横浜市の公園で夜8時、無職(17)がバス運転手(27)と少女(17)のカップルに「金を出せ」といきなりナイフで男性のモモを刺して動脈切断で殺害、2.25に逮捕された。少年4人組でカップルへのカツアゲを繰り返していた。


昭和34年(1959).2.3〔高1ら4人が電線を切って盗む〕
 神奈川県鎌倉市扇ヶ谷で、都立高校1年生(15)が、電線200メートルを切り取って、付近を停電させて捕まった。仲間の大学生、高校生2人の3人は逃走。ドライブ・クラブの催しで車で同市を訪れ、電線を盗もうとしたもの。


昭和34年(1959).2.4〔中3が父親になじられ失意の自殺〕
 東京都の市ヶ谷駅で、中学3年生(15)が線路に横たわり電車に轢かれて死亡した。教師から志望高校に合格できると言われ勉強に力が入らなくなり、父親に2時間の説教を受け、それを苦にしてのもの。性格は内向的でまじめ。中位の成績だった。


昭和34年(1959).2.4〔38歳ニートが父親殺害〕※参考
 神奈川県横浜市の自宅で、無職(38)が父親(65)を殺害して物置に死体を隠したが自首した。3ヶ月前に工場を辞めてから、毎日酒を飲んでぶらぶらしており、父親に怒られてカッとして縄で絞殺したもの。


昭和34年(1959).2.5〔中学生風が荒川通り魔を模倣〕
 東京都北区の路上で、小学6年生女子(11)が、中学生風の少年にセーターを切られる。1.27の荒川通り魔の模倣犯と見られている。


昭和34年(1959).2.8〔19歳らがケンカで刺殺〕
 東京都杉並区高円寺の喫茶店で、愚連隊2人と6人がケンカとなり、包丁で無職(21)が刺殺され、2人が重傷となり、少年(19)らが逮捕された。新宿などの取り締まりが厳しくなったため、杉並、中野などに愚連隊が移ってきている。


昭和34年(1959).2.8〔18歳ら2人がタクシー強盗殺人〕
 東京都港区でタクシーに乗っていた21歳が運転手の首を絞め、18歳が小刀で刺して殺害して逃亡したが9日に自首してきた。車を奪って売るつもりだったが、前日に東京湾に停泊中の船を奪って韓国まで逃亡して売る計画を立て実行したが失敗していたことも自供した。


昭和34年(1959).2.8〔19歳が殺人未遂と強盗殺人〕
 長野県飯田市の旅館で、少年(19)が女工(21)の首を絞めて殺したと思って逃走、14日には林で娼婦を絞殺して10万円を奪い、死体を埋めた。窃盗で神奈川県横須賀少年院に収容されたが、「毎晩うなされて眠れない」と4.16に自供。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).2.8〔喫煙と少年犯罪 読売新聞引用〕
 たばこ吸いたさに強盗や窃盗を働く少年が最近目立っていると警察庁がその実態をまとめた。喫煙が動機となった主な事例をあげると、
▽小学4年生のとき不良少年に喫煙を教えられた15歳の少年は、小遣い銭欲しさに海軍ナイフで脅し5000円を強奪(群馬県)
▽高校2年生が小銭をためていた老人を薪割りで殴り現金9000円を奪う(中部地方)
▽関東地方のある中学校では、2年生28人のうち26人が喫煙、1人10円づつ出し合ってたばこを購入、吸いがらを校舎の節穴にいれるうち校舎一棟を全焼した。少年たちは喫煙することが“大人への完成"のシンボルと考え、この傾向が年々激増している。昨年補導された少年70万人のうち、約半数が喫煙常習者だという。
(読売新聞2・8)


昭和34年(1959).2.9〔17歳ら2人による少女怪死事件〕
 東京都品川区の青果物商で、主人(42)を殺そうと妻(37)と住み込み店員(17)の2人が青酸カリ入のサイダーを帳場に置き、小学2年生の四女(7)が飲んで死亡した。
 店員は人使いが荒い主人に些細なことでたびたび叱られ殴られることを怨み、妻も愛人を持ち暴力を振るう夫を憎んで共謀、3ヶ月も計画して肉切り包丁で刺そうとしたが隙がなく、店主の大好きなサイダーで毒殺を謀ったもの。妻は夫の殺人未遂と娘への重過失致傷で有罪となったが、東京地裁は懲役3年、執行猶予4年の極めて軽い判決。高裁は執行猶予を破棄して懲役3年の判決を出した。店員は主人がサイダービンを手にとってもたまたま飲まなかった殺人未遂のみが問われ、東京家庭裁判所は事情を考慮して保護観察処分決定。


昭和34年(1959).2.9〔女子中学生などステッキガールが売春で摘発〕
 静岡県浜松市で、浜松署が県警本部の応援も得て初のステッキガール摘発を断行した。ステッキガールとは、もともと昭和初期の銀座で1時間2円の料金を取って食事などデートの相手をする援助交際少女のことだったが(男の腕にぶらさがるステッキ代わり)、昭和30年代の浜松で宴会のコンパニオンをする素人娘として復活、売春の温床となっていた。この日は女子中学生(14)など、14〜21歳の女子が保護された。家出娘や元店員など。一泊1500円で、女が6分、社交クラブが4分を取って売春させていた。浜松には当時70のステッキガール組織があり、それぞれ20人ほどの女を置いていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).2.9〔高校校長が女性事務員と心中〕※参考
 大阪府大阪市の旅館で、静岡県磐田市の県立高校校長(54)とこの学校の女性事務員(23)が心中した。東大数学科卒で、妻と2人の娘がいる。真面目で評判だった。妻は入院中。


昭和34年(1959).2.11〔小5、欠勤教師を訴えるビラ配布 読売新聞引用〕
 東京北区の小学校5年生のクラスで、欠勤がちな担任教師(32)を訴えるガリ版刷りのビラがクラスの家庭に配られた。
「生徒より――(1) 先生は1週間に2、3回休みます。今日は試験があって、ぼくたちは習っていないところがでました。よその組が115ページなのに、ぼくたちはまだ54ページなのです。(2) 時間中に絵ばかり書かせていて、先生はたばこをすったり、小説ばかり読んでいます。それでは勉強が遅れてしまいます。それでこのことについてお母さん方で相談して先生によく伝えてください。お願いします」と、児童の不満が結集し幼いチエをしぼり出しての自衛行動に出たわけ。小学校の先生が受持ちの児童から“勤評"されたのは国の教育史上でもめずらしい。
(読売新聞2・11夕刊)


昭和34年(1959).2.12〔17歳が荒川通り魔取り調べを受け自殺未遂〕
 東京都北区の大工見習い(17)が、睡眠薬を飲んで昏睡したまま奧羽本線に乗っていたが発見されて命は取り留めた。1.27の荒川通り魔の犯人として取り調べを受け、無実を訴える遺書を持って実家の秋田県横手市に向かったもの。


昭和34年(1959).2.15〔18歳が主人夫婦襲う〕
 東京都足立区のパン屋で、店員(18)が小麦粉かくはん機のハンドルで、主人(34)と妻(27)の頭をめった打ちにして1ヶ月の重傷を負わせた。いつも叱られるので怨みに思っていたもの。


昭和34年(1959).2.16〔高2が家出して連続強盗〕
 神奈川県平塚市の民家に、高校2年生(17)が覆面をして押し入り、ナイフで脅して3百円を強奪、直後に理髪店から3500円を奪おうとして主人にナイフをもぎ取られて逃走、すぐに捕まった。昨年12月に「自殺する」との書置きを残して群馬県館林市から家出していた。


昭和34年(1959).2.17〔中央大学応援団員5人が集団レイプ〕※参考
 東京都新宿区新宿のキャバレーで、中央大学応援団員(21,22)5人が飲んだ後にホステス(20)を無理やりタクシーで杉並区の下宿へ連れ込み、集団レイプして捕まった。大学は1人退学、4人無期停学の処分。
 3.16には中央大学野球部30人が福岡県八幡市の旅館で、丹前、ゆかたなどを盗んで捕まり、東都リーグ出場辞退。


昭和34年(1959).2.18〔17歳ら常習の少女暴行団〕
 神奈川県川崎市の高校2年生(17)2人と工員(18)、店員(17)、映画技師見習い(17)の5人組が少女暴行で捕まった。女工(17)など少女5人を次々ガード下の洞窟に連れ込み暴行していた。


昭和34年(1959).2.19〔中1の5人組盗みを働く少年探偵団〕
 神奈川県横浜市の中学1年生5人組が倉庫から薬品を盗み補導された。「ぼくらは少年探偵団だ。薬品鑑定の勉強をするために盗んだ」と悪びれずに話した。映画をマネて探偵団を結成、探偵社から「私立探偵の手引き」を郵送してもらって研究して手帳に詳細に書き留め、ナイフやロープなどの七つ道具を所持して毎日訓練していた。


昭和34年(1959).2.19〔拓大生が妊婦の腹を蹴る〕※参考
 東京都品川区の路上で、拓殖大学2年生(23)が夫婦で散歩していた7ヶ月の妊婦(24)の腹を突然蹴った。酔っぱらってケンカしてムシャクシャしていたもの。


昭和34年(1959).2.25〔高3の5人組が少女暴行未遂〕
 東京都渋谷区の喫茶店で、高校3年生(18)5人組が女子高生5人とコーヒーを飲んでいたが、隙を見て高校3年生女子(18)のカップに睡眠薬を入れ、近くの旅館に連れ込んだが、友人の通報で無事保護された。
 石原慎太郎・原作、市川崑・監督の映画「処刑の部屋」を観て、主人公が女を薬で眠らせて犯すシーンをマネたもの。


昭和34年(1959).2.25〔高4の2人組が強盗殺人で死刑判決〕
 長崎県長崎市の家具店で深夜2時過ぎ、私立海星高校定時制4年生(18,19)2人が押し入り、就寝中の主人(50)をノミとナタでめった打ちにして殺害、妻(48)に2ヶ月の重傷を負わせ、3万2千円を強奪して逃走したが逮捕された。中流の旅館と雑貨屋の息子で、商業高校の受験に失敗して同じ定時制に入ったが、半年前に別の暴力事件を起こして退学、また同じ学校に転校して親しくなった。学校にはほとんど行かずダンスやパチンコに耽ったため金が必要になり、1ヶ月働いてクビになったため恨んでいた家具店を狙ったもの。長崎地裁は2人とも死刑判決。


昭和34年(1959).2.28〔23歳東大浪人生が自殺〕※参考
 神奈川県川崎市の山中で、浪人生(23)が自殺した。東大に5度落ちて6度目の入試直前だった。





昭和34年(1959).3.1〔23歳がふられて2人殺害〕※参考
 宮城県塩竃市の屋台で朝4時半で、船員(23)が女給(17)をレインコートで絞殺、側の部屋で寝ていた女性主人(39)が物音で起きてきたのでベルトで絞殺、現金3千円入りのサイフと腕時計を強奪して逃走、3.8に逮捕された。なじみの女給に結婚を申し込んだが断られてカッとしたもの。


昭和34年(1959).3.2〔17歳ら兄弟が偽装心中して強盗〕
 静岡県熱海市で、無職少年(19)と工員(17)の兄弟が海に飛び込んだのが目撃され、遺書も発見された。ところが2日後にこの2人が郷里の愛知県の菓子店に強盗に入り、弟は逮捕され、兄は指名手配となった。兄は昨年に窃盗を働き保護観察中だったが、偽装自殺を謀ったもの。


昭和34年(1959).3.6〔18歳が首相暗殺のため警官襲撃〕
 東京都秋葉原駅近くの交番で、修理工(18)が巡査の顔をナイフで3カ所刺し殺害、その場で逮捕された。勤め先のオートバイ修理店から1万2千円を持ち逃げして3.3に名古屋市から上京、「岸首相がいなくなれば労働者が助かる」とナイフを手に首相官邸に忍び込もうとしたが警戒が厳重で果たせず、まずピストルを奪おうと警官を襲ったもの。
 おとなしい性格で取り調べにも素直に答えていたが、地裁では無期懲役を言い渡された。


昭和34年(1959).3.6〔27歳教師が同僚殺人未遂と学校放火〕※参考
 秋田県平島郡の中学校で朝5時、教師(27)が職員室に放火、宿直室で寝ていた教師(23)の頭をカナヅチで殴って10日の傷害を負わせてからフトンに火を付けて逃走。すぐに殺人未遂と放火で逮捕。殺してから学校を燃やして自分も死ぬつもりだったと自供。まじめな性格だった。


昭和34年(1959).3.12〔小6ら三人組が連続婦女暴行〕
 新潟県新潟市で、小学6年生(12,13)2人と無職少年(17)の三人組が、強姦と強制猥褻罪で補導された。学校にはほとんど行かず、盗みを働いては映画館で過ごし、昨年末から銭湯を覗いたり、銭湯帰りの女性を襲っていたが、人数は多過ぎて判らないと自供。付近では女性がたびたび襲われているという噂があったが、警察への届けは一件もなかった。


昭和34年(1959).3.15〔16歳が若い女性ばかりを狙って路上強盗5件〕
 東京都台東区上根岸の路上で女性(21)が襲われて2週間の怪我を負い、左官見習い(16)が捕まった。ナイフで脅し、金を奪おうとしたもの。直前にも同様の犯行を4件起こして2千2百円を稼いでいた。中学2年生の時にレイプで少年鑑別所へ入っており、昨年に金沢市から上京していた。


昭和34年(1959).3.19〔中3の15人組が卒業式の集団暴行〕
 東京都足立区の中学校の卒業式で、中学3年生15人組が卒業生5人を校庭に連れ出し、大勢の生徒が見ている前で殴る蹴るの暴行を加えて1人に瀕死の重傷を負わせた。問題校のため卒業式に私服警官が配備されて警戒態勢が取られているなかの出来事だった。


昭和34年(1959).3.21〔中学教師が同僚女性教師刺殺〕※参考
 山口県熊毛郡の離島の中学校で、教師(26)が同僚女性教師(21)の胸を刃物で刺して殺害、翌日、柳井市の自宅に帰って両親に殺人を犯したことを告げてから睡眠薬自殺を図ったが命を取り留めた。内妻がおり、三角関係から無理心中しようとしたもの。


昭和34年(1959).3.22〔17歳が父親撲殺〕
 埼玉県狭山市の自宅で深夜0時、臨時雇いの長男(17)が父親(45)の頭を二メートルの丸太で滅多打ちにして殺害した。一緒に酒を飲んでいて、ケンカしたもの。


昭和34年(1959).3.22〔27歳東大浪人女性が自殺〕※参考
 東京都杉並区の自宅で、長女(27)がガス自殺。昨日東大医学部の受験に失敗したところだった。兄弟7人中5人が東大で、東京女子大を中退して東大入試を5度受けていた。父親(71)は軍医中将だった。


昭和34年(1959).3.23〔22歳が幼女レイプ殺人 洋子ちゃん殺し〕※参考
 山口県山口市で、無職(22)が小学1年生の女の子(7)をレイプ、犯行を隠すため首を手で絞めて殺害、何食わぬ顔で行方不明となった女の子の捜索隊に加わっていたが、翌日逮捕された。映画に刺激されたと自供。ぶらぶらして近所の子供とよく遊んでおり、この女の子とも仲が良く、花を摘みに行こうと山に誘い込んだもの。
 精神薄弱のため無期懲役となり昭和49年に仮出所。昭和54年(1979).7.28、42歳となった男は東京都北区のパチンコ屋で、母親(29)がパチンコ中の女の子(3)を誘拐してアパート自室でいたずらして絞殺、死体を遺棄した。その日に違う女の子(5)にも猥褻行為。平成4年2.18、死刑確定。


昭和34年(1959).3.24〔58歳が旅客機で自殺未遂〕※参考
 徳島から大阪府堺市へ向かった旅客機で、木炭卸商(58)が二本の一升瓶に詰めて持ち込んだガソリンをまいてマッチで火を付けようとしたが、他の乗客が格闘して取り押さえた。農協の金31万円を横領したことが発覚して自殺を図ったもの。


昭和34年(1959).3.25〔17歳ら3人が映画館で強盗〕
 東京都大田区大森の映画館で深夜、支配人と家族3人が縛られ、6万700円が奪われた。犯人は元映画フィルム運搬人(20)、無職(17)、無職(19)の3人。さらに見張り役の少年(18)もいた。競艇で遊ぶための資金稼ぎ。3人は4.7に捕まった。


昭和34年(1959).3.25〔高3が下級生から大金脅し盗る〕
 福岡県福岡市で、元高校生(19)が恐喝容疑で取り調べ。高校3年生だった昨年9月から、裕福で気の弱い下級生を脅して金を50回巻き上げ、昨年末にはまとまった金を持って来いと20万円を持ち出させたもの。この年の大卒銀行員初任給15,000円。


昭和34年(1959).3.27〔17歳女子が母親に睡眠薬飲ませて通帳盗む〕
 静岡県浜松市の自宅で、女子(17)が母親にカルモチン入りの砂糖を食べさせて、眠っているうちに貯金通帳を盗んで2万3千円を引出して逃走した。去年の8月からステッキガールをしていた。


昭和34年(1959).3.29〔17歳ら2人組がナイフで刺殺〕
 東京都板橋区の縁日で、無職(17)とプレス工(17)の2人組が、朝鮮人高校2年生(17)とケンカしてナイフで刺殺、31日に逮捕された。


昭和34年(1959).3.29〔19歳予備校生が酔ってタクシー強盗〕
 東京都杉並区高円寺の予備校生(19)が、タクシーに乗って「金を出せ」と運転手(21)を脅したが、すぐに捕まった。「酔っていて何をしたか分からない」と自供。早慶入試に失敗し、勉強のしすぎでノイローゼだった。


昭和34年(1959).3.29〔18歳女子が自衛官千人斬り通り魔〕
 静岡県浜松市の映画館で、女子(18)が自衛官3人の制服を切り裂いて捕まった。高校を2年で中退して航空自衛隊員(21)と交際していたが、ほかの基地に転勤になってフラれてしまい、復讐のため自衛官千人斬りを決意して2月から12人の制服を切っていた。


昭和34年(1959).3.29〔中2ら2人が小学生を空気銃で撃つ〕
 神奈川県横浜市の蒔田山で、中学2年生(14)と工員(15)が小学3年生(8)4人を捕まえ、立たせて帽章目掛けて空気銃を4発撃ち、1発が顔に当たって2週間のケガを負わせ、逃走したが捕まった。


昭和34年(1959).4.1〔幼女レイプ殺人 照子ちゃん殺し〕※参考
 山口県長門市の松林で、小学2年生の女の子(7)をレイプされ、スカートで首を絞めて殺害された。4.8に服を切り裂かれた死体発見。4.22に逮捕された者がいるが容疑が晴れたらしく、年末時点で未解決。
※犯人が捕まったかどうかご存じの方はご教示をよろしく。


昭和34年(1959).4.2〔15歳が幼児殺害〕
 埼玉県深谷市の寺の竹林で、無職(15)が近所の男の子(2)を連れ込んで絞殺した。精薄で先月中学を卒業したばかり。「ゴジラ」と云われてカッとしたもの。


昭和34年(1959).4.4〔少年スリ、大半は14歳以下 毎日新聞引用〕
 終戦直後“チャリンコ"と呼ばれて街にはんらんした少年スリも年ごとに減少し、この年警視庁少年課が補導したスリ少年は96人(うち女25人)にとどまった。このうち63人(65%)が14歳以下の触法少年。内訳は13歳の15人を最高に12歳14人、10歳14人、11歳12人。15歳以上の少年(15、16、17歳いずれも各5人)にくらべ高い数を示し、低年齢化傾向にある。学年別でも小学生が42人、中学生が35人を占め、高校生がたった1人であるのと対照的。ほとんどが学校を長欠してデパートや動物園に出かけ、常習的に犯行を重ねている。家庭環境は60人(60%)が実父母に恵まれているが、子供の教育に無関心な放任家庭、片親の場合は極度の貧困家庭である。動機は小遣い銭欲しさがほとんどで、スリ取った金は映画や駄菓子の飲食に使っている。なかには親に渡して生活費にあてていたものもいた。少年の半数はグループを編成し、2人組がもっとも多く15組、3人組が3組、4人組が2組だった。スリは一度成功すると常習化し、しかも低年齢のために寛大に扱われ、益々常習化の道を歩むようである。
(毎日新聞4・4)


昭和34年(1959).4.6〔19歳が強盗殺人〕
 東京都大田区の工場に、トラック助手(19)が侵入し、宿直の工員(21)の頭をスパナで10数回殴って首を絞め殺害、精密機器類を盗み、8日に自首した。中卒後にバーで働くも店の金1万8000円を持ち逃げ。運送会社に勤めるが、3.16に姉の家からテレビを盗んで姿を消していた。


昭和34年(1959).4.8〔16歳が義妹を殺害し捨てる〕
 北海道野付郡の自宅で、長男(16)が小学1年生の義妹(6)の頭を木片で何回も殴り、4.12に死亡させ、死体にセーラー服を着せランドセルを背負わせて登校途中に倒れたように見せかけて1.5キロ離れた山の中に運んで捨てた。4.18に死体が発見され自供、傷害致死罪で逮捕された。出産のため両親が二十日間不在で、長男が7人兄弟の面倒を見ていた。実母は3年前に死亡、女の子は義母の連れ子で、全身に無数の傷や、手のひらにやきごての跡があった。一年前にも義妹を殴って三週間の傷害を負わせて保護観察処分となっている。釧路家裁は中等少年院送致決定。


昭和34年(1959).4.10〔19歳が皇太子夫妻に投石〕
 東京都皇居前で、長野県の浪人生(19)が御成婚パレードの皇太子夫妻が乗った馬車に投石、さらに馬車に駆け寄ってよじ登ろうとしたが、警官隊に逮捕された。「天皇制には反対だ。こんな人を集めて道を開けさせるなどけしからん。引きずり落として訊いてみようと思ってやった。ふたりが結婚するだけで2億3千万円もつかっている。税金は福祉事業につかうべきだ。こんな馬鹿げた行事は今後いっさいぶちこわしてやる」と自供。家にあったノートには「税金をつかう虫を殺せ」などと書かれていた。
 精神分裂症と鑑定され、保護処分となった。


昭和34年(1959).4.10〔30歳が幼女レイプ殺人〕※参考
 兵庫県神戸市で、クズ拾い(30)が女の子(4)を山中に連れ出してレイプ、タオルで絞殺して、翌日自首した。二ヶ月前に会社を辞めて妻子とも別れている。仕事は真面目で、近所に住むこの女の子を日頃から可愛がっていた。


昭和34年(1959).4.11〔19歳、義妹殺す〕
 北海道で、19歳、義妹殺す。


昭和34年(1959).4.12〔被爆経験のある法大1年生が自殺〕
 広島県広島市の自宅で、法大経済学部1年生(18)が睡眠薬を飲んで自殺。原爆被害者が次々と死んでいったことから「自分も長生きできない」と悲観したもの。顔の左半分にケロイドがあったが、体の異常はなかった。9日の入学式に出席し10日に実家に戻っていた。


昭和34年(1959).4.12〔教護院職員が女子をレイプして脱走させる〕※参考
 福島県須賀市の県立教護院で深夜2時、職員(29)が不純異性交遊で入所中の女子(14)を強姦、発覚しそうになると6.5に女子に二千円を渡して「強姦は狂言だった」と書き置きをさせて脱走させた。6.25に逮捕された。


昭和34年(1959).4.15〔家出少年ふえる 歌手や俳優志願 断わられると強盗も 読売新聞引用〕
(前略)昨年は都内で保護された家出少年が1万5839人、三十二年より3142人も多く、家出人総数(2万209人)のうちで占めた割合が73.72%と戦後の最高を記録した。家出の動機をみると、東京へのあこがれと職さがしが40%に達しているが、これにつぐ新しい傾向としてでてきたのがノド自慢大会などの流行による“芸能人になりたい"“顔をみたい"などの家出。
このため同課(※警視庁少年課)が都内各署を通じ歌手、俳優、舞踏家、落語家など芸能人873人の協力を求めてさらに調べたところ、昨年中の“あこがれ少年"の訪問数は4418人で、この大部分が家出少年とわかった。この統計によると、15歳が25%で886人、14歳が15.4%となっているが、半数は中学生、ついで高校生、小学生、商店員、女中の順で大学生も15人いた。 訪問の目的は“顔がみたかった"という単純なものが93.6%、また再三ファン・レターを出したが、返事をくれないので山口県から出てきた少女(18)などもいるが、“芸能人になりたくて"(5.3%)のなかには、農村の生活にあきたらず、声がいいとおだてられて青森県から家出したもの、断られてもなにか他に仕事を世話してくれるだろうと石原裕次郎を頼って富山県から出てきた少年などもある。
あこがれる芸能人の順序は歌手がトップに俳優、プロレス、野球選手と続き、家出少年の出身地は全国的だが、大阪、新潟、青森、愛知各県が目立っている。もちろんほとんど門前払いで保護者、児童相談所に引き渡しているが、強引に粘って女中として俳優に引き取られた少女が一人、浪曲、プロレスの弟子入りもそれぞれ一人ずついる。また逆に面会強要で検挙されたのが二十人、ヤケのあまり芸能人宅で強盗、窃盗、恐かつ、投石などのいたずらを働いたもの六人。
そのおもな例としては▽千葉県の無職少年(16)は昨年四月二日、十二月三十日の二回少女歌手の松島トモ子さんに脅迫状を送り「二百万円送らねば命をもらう」とおどし碑文谷署で検挙。また▽目黒区高校二年生(17)は歌手にあこがれ、楽器やテープレコーダほしさから昨年十二月までに歌手大津美子さんら数人の歌手宅の郵便箱をこじあけ、現金入りのファン・レターなど二十万円を盗み、本年一月二十四日検挙、などがある。(後略)
(読売新聞4・15夕刊)


昭和34年(1959).4.16〔15歳ら2人が家出して強盗〕
 宮城県塩釜市米沢の食料店に、高校3年生(17)と少年(15)が侵入、ナイフを突きつけ2千円を奪い、すぐに捕まった。神奈川県横浜市から家出して、バーホステス(18)と高校3年生女子(17)の4人で旅行して松島の旅館に泊まっていたが、金が無くなって困ったもの。


昭和34年(1959).4.16〔19歳がフェンシングで過失致死〕
 東京都千代田区神田の中央大学で、フェンシング部の練習中に2年生(19)の折れた剣が3年生(20)の胸に30センチ刺さり死亡。2年生が過失致死で書類送検。


昭和34年(1959).4.19〔高2が強盗殺人〕
 滋賀県で、高校2年生(16)が女性(56)の頭や首を出刃包丁で滅多刺しにして殺害、逮捕された。資産家の農家の長男だが、父親は金にうるさく節約を命じていたために家の金品を持ち出したり同級生の財布を盗んだり借金をして買い物をしていたがズック靴4百円の支払を迫られ、知り合いの女性に借金を申し込んだが断わられ包丁を突きつけて脅すと「泥棒」と叫ばれたため殺そうと馬乗りになって刺したもの。


昭和34年(1959).4.20〔16歳が女性9人を襲う〕
 東京都北区で、工員(16)が女性9人を襲って逮捕された。女中(19)の背中をカサで突いてケガを負わせたり、少女(16)の胸をナイフで刺してバッグを奪うなど、1週間のうちに強盗傷害を立て続けに犯していた。岐阜県から上京したばかり。2年前に少年院に入っている。


昭和34年(1959).4.22〔17歳が強盗殺人未遂〕
 神奈川県中郡の茶屋で、客の少年(17)が主人の頭をビールビンで殴って、トランジスタラジオと現金160円を強奪したが、5.23に逮捕された。


昭和34年(1959).4.28〔16歳が父親を射殺〕
 鳥取県八頭郡の自宅で、長男(16)が父親(58)を殺害した。父親が酔って母親に乱暴して猟銃を向けて脅したので猟銃を奪って弾を込めてから頭を撃ったもの。そばにいた母親にも当たって2ヶ月の重傷を負わせ、派出所に自首した。中卒後に家業の鳥肉商をしていた。


昭和34年(1959).4.28〔中3が教室で同級生刺殺〕
 岡山県井原市の中学校で、3年生(14)が同級生(14)の心臓を工作用小刀で刺して殺害した。詰まらないことでケンカしたもの。父親は生まれる前に死亡し、母親は10年前に家を出て再婚、中3生は祖父母に育てられた。初等少年院送致。


昭和34年(1959).4.29〔中2ら19人の犯罪集団「別荘グループ」〕
 東京都世田谷区の空き家を「別荘」と称して盗んだ家財道具と食料でたまり場にして、犯罪を繰り返していた中学2,3年生16人を含む「別荘グループ」19人(13〜18)が捕まった。
 リーダーの無職(17,18)2人は盗んだ金でアパートを借り、1.9にローラースケート場で知り合った中学3年生女子(15)を連れ込んで、中学3年生2人と4人でレイプした。
 中学3年生(15)2人がタバコ屋の赤電話(時価2万円)を盗り、金だけ抜き取りドブ川に捨てる手口で13件、2万円を稼いでいた。
 3.28に中学3年生(15)と中学2年生(14)は盗んだバイクで酒屋に押し入り酒やビールを盗んで別荘で宴会をしていた。





昭和34年(1959).5.1〔中3が同級生宅に強盗〕
 神奈川県川崎市の民家に、中学3年生(14)が押し入り、同級生(14)を脅して2千3百円と時計を強奪して逃走した。直前に警察を装って電話を掛けて親を誘い出していた。恐喝で逮捕歴がある。


昭和34年(1959).5.3〔小2が忍者のマネして9件の放火〕
 埼玉県浦和市岸町の小学2年生(8)が、4.6から連続9件の放火をして捕まった。忍者が煙とともに消えるテレビを見て、マネたもの。日雇い労働者の三男。


昭和34年(1959).5.3〔17歳がケンカで刺す〕
 東京都豊島区の空地で、自動車販売(17)が私立高校3年生(17)をナイフで刺して重体とした。金を返せとケンカしたもの。


昭和34年(1959).5.3〔小6が誤って首吊り〕
 福岡県小倉市の自宅で、小学6年生(11)が手を後ろで縛って首を吊っていた。警察は自分で縛って首吊りのマネをした過失死と断定。


昭和34年(1959).5.4〔主婦が近所の幼女を殺害〕※参考
 兵庫県尼崎市の自宅で、主婦(29)が向かいの家の女の子(1)を殺害、何食わぬ顔で女の子の捜索隊にも加わっていたが、5.10に逮捕された。女の子は自分の子供(2,4)2人と遊んで眠ってしまったが、夜7時に女の子の母親が呼ぶ声が聞えたので抱き上げようとして誤って畳の上に落としてしまい失神して息を吹き返さなかった、怖くなって死体を百メートル離れた家の前に捨て、服は指紋が付いているのではぎ取ったと自供。しかし、死因は窒息死なので服を盗るために殺害したと見られている。
 夫は大手電機会社の工員で生活は豊かだったが盗癖があり、四年前に窃盗で検挙されている。女の子の姉(6)が去年末に着ていたセーターを盗られた事件の容疑者として取り調べを受け、家から女の子の長靴が発見されて自白したもの。


昭和34年(1959).5.5〔上野の家出人、一年に8503人〕
 東京都で、上野の家出人、一年に8503人。


昭和34年(1959).5.6〔19歳ら4人組がケンカ殺人〕
 神奈川県横浜市の路上で、土木作業員(19,20,21,22)4人が大工(27)とケンカしてゲタで何度も蹴り上げ、上着を強奪して川に放り込んで殺害、12日に逮捕した。


昭和34年(1959).5.7〔16歳女子が売春して殺される〕
 東京都台東区山谷で、無職(32)が少女(16)を殺害して10日に自首した。深夜1時に少女に売春を持ちかけられ友人のアパートに連れ込んだが、「金が足りない」と言うと「ただでは帰れないよ」と脅されたため手足を縛って絞殺してからレイプ、友人の衣服を奪って逃走したもの。予科練出身で窃盗の前科がある。少女は近所のお好み焼きやの娘。


昭和34年(1959).5.13〔16歳女子が恋人と共謀してパチンコ店を空巣〕
 東京都大田区のスマートボール経営者宅から4760円、神奈川県横浜市のパチンコ店から2万3000円を奪うなど、25件26万円を稼いでいた無職(21)と恋人(16)が捕まった。無職が保証人となり少女をパチンコ店に住み込ませ、その日のうちに少女の手引きで空巣を働く手口で、関東だけではなく奈良県でもやっていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).5.14〔演劇青年、生活困り本万引五〇〇冊〕
 東京都で、演劇青年、生活困り本万引五〇〇冊。


昭和34年(1959).5.15〔17歳2人が非番中の警官を襲う〕
 東京都台東区の上野公園で、工員(17)2人が女友達と歩いていた非番中の警官(24)に「金を出せ」と登山ナイフで背中を刺し、重体としてすぐに逮捕された。2人は中学生の友人で、その日に偶然再会し、金がなかったことから強盗を思い立ったもの。


昭和34年(1959).5.15〔16歳が援助交際して脅し〕
 東京都新宿区の旅館で、少女(16)が会社員(32)と援助交際をしたが、上司にばらすと3万円を脅し盗ろうとして逮捕。中3の時に同級生にレイプされてから非行に走って家出、職を転々としていた。映画からヒントを得たと自供。


昭和34年(1959).5.15〔19歳「月光仮面」のスタントマンが盗み〕
 愛知県名古屋市の赤電話から金を盗んだ19歳が逮捕されたが、この男はテレビ「月光仮面」の主役のスタントマンだった。18歳の友人2人と名古屋で9件、東京で10件6万円の赤電話荒らしを働いていた。東京のプロダクションは「撮影に間に合わないので早く帰してもらいたい」と警察に頼んでいる。


昭和34年(1959).5.19〔18歳が強盗目的で住み込み殺人未遂〕
 東京都で、住み込み先で強盗を繰り返していた少年(18)が捕まった。板橋区の読売新聞販売店で3.19に睡眠薬を販売員(24)に飲ませて盗みをしようとしたが失敗。翌日、ガス中毒死させようとしたが気付かれて、1万円を奪って逃走。4.1にまたこの店に侵入して販売員を縛り、20万円を奪って逃走。5月に文京区のパチンコ店に就職し、12日に金を盗もうとしたが店員に見付かり、強盗と殺人未遂で逮捕。


昭和34年(1959).5.20〔16歳が35件60万円相当の空巣〕
 東京都荒川区で、生活道具一式全てを盗んでいた少年(16)が捕まった。北海道函館市の少年院を3月に出院したが父親が身柄引受けを拒否したため、4.26に上京。テーブルや椅子、パジャマからステレオなど、35件60万円相当を盗んで、引越しを装って白昼堂々とタクシーで運んでいた。「父はサンパウロ新聞編集長で、社長秘書として働いている」などと言っていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).5.21〔高2の3人が裕福なのに強盗未遂〕
 東京都杉並区の路上で、慶応高校2年生(17)3人が歩いていた夫婦に「金を出せ」と脅し、大声を上げられたため夫の顔を殴って逃げたが、すぐに逮捕された。この付近でほかに3件の強盗未遂を働いていたことを自供した。いずれも会社社長などの息子だが、こずかいほしさのためにやったもの。


昭和34年(1959).5.22〔15歳ら不良卒業生を恐れ、中学生が集団下校〕
 千葉県松戸市馬橋の中学校で、卒業したばかりの不良グループ7,8人から一枚200円のパーティ券数10枚を売りつけられ、「放課後に代金を裏山に持って来い」との脅しが発覚、生徒は教師付き添いで集団下校し、少年が捕まった。男子生徒100人以上が金を取られたり、殴られたりしていた。


昭和34年(1959).5.27〔小6がソフトボールのため同級生毒殺謀る〕
 岡山県上道郡の小学校で、小学6年生(12)が同級生(12)の給食の牛乳に農薬を混入したが少し飲んで異味のため吐き出して、無事に済んだ。6.3に任意同行で取り調べ。ソフトボールチームの補欠で、選手である同級生が病気になれば試合に出られると思ったと自供。


昭和34年(1959).5.27〔19歳がケンカで刺殺〕
 東京都葛飾区の路上で、家事手伝い少年(19)が工員(29)に「道をあけろ」と言われたことでケンカして出刃包丁で胸を刺して殺害、傷害致死で逮捕。


昭和34年(1959).5.28〔依然学生犯罪トップ、目立つ中学生 朝日新聞引用〕
 東京都内でこの1年、警視庁が扱った問題少年の数は21万4000余人で、前年比5.5%増。都内の少年人口(6〜20歳未満)242万余人だから、10人に1人が警察の厄介になった勘定。そのうち刑法犯は1万9700余人、不良行為は20万人弱。刑法犯の筆頭は学生で7500余人(38%強)勤労青少年7400余人、残りは無職。勤労者と無職は共に2%減っているのに対し、学生は3.4%増。
 学生の内訳は中学生が圧倒的に多く4500余人(6割強)、高校生1800余人、小学生940人、大学生210人。前年にくらべ中学生が1割以上も増加して、他の学生が減っていることから、最近の非行少年の年齢層はハイ・ティーンからロー・ティーンに下降しているという“通説"が実証されたわけ。
 前年との比較で目立つのは婦女暴行が111人(前年50人)で、特に中学生が前年の7人から47人と7倍で驚くべき増加。高校生も8割増。この他強盗、脅し、わいせつ、知能犯なども中学生の進出が目立つ。不良行為をみても中学生の増加は異常で、喫煙では前年の7割増で1700余人が補導されている。放火は9割増えているが、この犯罪だけは小学生が8割弱を占めている。
(朝日新聞5・28)


昭和34年(1959).5.29〔小6がいじめを叱られ自殺〕
 熊本県天草郡の小学校で、6年生(12)が自殺した。下級生にたびたびリンチを加えており、この日も5年生10数人を殴ったので、5年生担任の教師が「父親と相談するから学校に呼んで来い」と叱っていた。この教師に当てた「すみません」という遺書を残し、体育館運動具倉庫で首を吊ったもの。


昭和34年(1959).5.30〔17歳らの愚連隊「神田十番クラブ」〕
 東京都神田を中心に恐喝6件、傷害8件、暴行12件、婦女暴行4件など、40件近くもの悪事を働いていたリーダーの高校生(20)らと、17歳から19歳の少年7人の計10人の愚連隊「神田十番クラブ」が捕まった。2年前に発足し、女を入会させて共有する、会費を毎月100円納めるなど会則を決めていた。


昭和34年(1959).5.31〔19歳ら愚連隊37人が祭で大乱闘〕
 神奈川県横浜市のみなと祭り横浜開港記念バザーで、少年愚連隊・保土ヶ谷グループと山下町グループが大乱闘を起こし、工員(19)がナイフで胸を刺されて死亡、負傷者10数人、翌日に36人が逮捕された。


昭和34年(1959).5.31〔5月だけで403人の不良青少年が捕まる〕
 東京都新宿区を管内とする四谷署は5月に青少年保護育成運動を展開し、403人の青少年を捕まえた。検挙者は53人で窃盗37人、恐喝12人、凶器所持2人、暴行1人、傷害1人。
▽女子高生万引グループ――新宿、池袋のデパートで服やアクセサリーを万引き。185点、4万円相当。中流家庭。
▽高校生7人の高級車荒らし――駐車中の高級車ばかりを狙い、カメラ、現金など64点、15万円相当を盗む。
▽愚連隊のエロ写真売り――17,18歳らが伊勢丹デパート裏や新宿中央口付近の暗がかりで通行人に10枚1組を500円で売っていた(儲けは200円)。卸元は暴力団。


昭和34年(1959).6.4〔33歳ニートが父親に射殺される〕※参考
 三重県鳥羽市の自宅で、父親(59)が長男(33)の頭を猟銃で撃って殺害した。働かずに酒を飲んで家族を殺すと暴れたため。


昭和34年(1959).6.5〔15歳ニートが投げヤリ殺人〕
 東京都世田谷区の路上で、無職(15)が自転車に乗って小学1年生(6)の胸を手製の投げヤリで刺して殺害した。29日に逮捕。裕福な会社社長の1人息子で、教育熱心な両親から勉強部屋を与えられ家庭教師をつけられて猛勉強をさせられていたが都立高校入試に落ち、私立高校もすぐに辞めてぶらぶらしていた。これまでも子供を木に縛りつけてナイフで脅したり、竹で目を突いてケガを負わせたりしている。友人がおらず家に引き籠もりがちで、テレビを見たりラジオを組み立てたりしていた。父親は「絶対に違う」「気が弱いので、責められるままにいいかげんな話をしたのでしょう」と言う。


昭和34年(1959).6.5〔高1らの愚連隊「京王会グループ」〕
 東京都新宿区の愚連隊「京王会グループ」28人が一斉摘発。町井一家の無職(18)を会長として1月に結成、この会長が退学した杉並区の私立高校の退学者や1,2年生がほとんどを占める。町井一家と似たバッジを付け、規則で結束を固め、歌舞伎町で恐喝や傷害を繰り返し、腕時計や現金2万7000円を奪っていた。学校ではバクチ、タバコは当たり前で、教師を殴るなどして30人が退学になっている。医師や大学教授など裕福な家庭がほとんど。


昭和34年(1959).6.5〔高校生らの愚連隊「伊勢丹グループ」〕
 東京都新宿区の愚連隊「伊勢丹グループ」24人が一斉摘発。町井一家の無職(19)が会長で、江戸川区など3校の高校生がメンバー。伊勢丹デパートの待合室を拠点に、恐喝を繰り返し、腕時計や現金など5万3500円相当を奪っていた。


昭和34年(1959).6.5〔20歳が主人一家6人殺害〕※参考
 北海道虻田郡で、一家6人を殺し、1人に重傷を負わせ、自分を傷つけ強盗に襲われたように擬装していた住み込みの雇い人(20)が逮捕された。養子にする約束を破り、こき使われた恨み。


昭和34年(1959).6.6〔17歳が友人の母親を刺殺〕
 大阪府大阪市北区の自宅で、主婦(44)が殺害され、すぐにこの家の長男(14)の友人(17)が捕まった。ふろしきで覆面をして、昼間に盗みに入ったが騒がれたため持ってきた出刃包丁で刺し殺したもの。


昭和34年(1959).6.6〔東北学院大1年生2人がタクシー強盗〕
 宮城県仙台市の東北学院大経済学部1年生のラグビー部員2人(18)がタクシーを拾い、運転手(43)の首を絞めて売上金3000円と腕時計を奪い、運転手を縛ったが、タクシーを運転して仙台駅に行き、何故か運転手と一緒に屋台で酒を飲み始めた。運転手は隙を見て逃げ出し、交番に通報して2人は逮捕。


昭和34年(1959).6.9〔17歳ら町井一家新宿三声会20人以上が殴り込み〕
 東京都練馬区のアパートで、町井一家新宿三声会20人以上が愚連隊8人に殴り込みを掛け、中学生(15)や鳶(18)にナイフなどで傷害を負わせ、23日に10人(17〜19)が逮捕。


昭和34年(1959).6.10〔16歳ら不良少年グループが遊興費稼ぎに売血〕
 東京都足立区の少女3人を含む不良少年グループ14人(16)が捕まった。中学時代の仲間13人(14〜19)らと共に、万引き、鉄くずの窃盗など21件約2万円の犯行を働き、また血液銀行で200ccを400円で売って酒やパチンコに使っていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).6.10〔東洋大学応援団員ら80人が大乱闘〕
 千葉県君津郡の東洋大学寮で合宿していた応援団員30人が地元青年50人と大乱闘となり、17人のケガ人が出た。7人対4人でつまらないことから始まったケンカが広がったもの。


昭和34年(1959).6.14〔女子中学生が男子中学生と乱闘〕
 東京都杉並区の中学校裏で、女子中学生7人とほかの学校の中学2年生(14)ら4人の男子中学生が殴り合いのケンカをして補導された。女子美術大付属中学2年生女子(14)が、寺の境内でたまたま会った男子中学生の学帽を取ってからかい「タバになってかかっていらっしゃい」と挑戦し、翌日果たし合いとなったもの。


昭和34年(1959).6.14〔中2が警察に呼び出しを受け鉄道自殺〕
 神奈川県川崎市の南部線で、中学2年生(14)が飛び込み自殺。自宅のナベの天ぷら油に火がついてボヤになったが、ラジオを組み立てるためのハンダごてをナベの下で暖めていたため警察に呼び出しを受けた直後。


昭和34年(1959).6.15〔16歳が16歳女給と盗品で生活〕
 東京都世田谷区で、23件、30万円の盗みを働いていた高校生(16)が捕まった。窃盗で学校を停学となり、家出して盗んだ家財道具で女給(16)と同棲していた。


昭和34年(1959).6.15〔18歳ら12人が交番前で乱闘〕
 東京都荒川区の千住駅交番前で深夜2時過ぎ、山谷の建築作業員5人と工員ら愚連隊7人(全員18)が武器を持って乱闘、逮捕された。肩がぶつかってケンカとなったもの。


昭和34年(1959).6.16〔中3ら2人がピストル強盗〕
 千葉県佐原市の小学校に、中学3年生(14と15)2人組が押し入り、ピストルとナイフを突きつけ女子事務員(15)を脅して380円を奪って逃走したが逮捕された。ピストルはほかの中学2年生から脅し取ったと自供。学校には行っておらず、窃盗で7回の補導歴がある。


昭和34年(1959).6.18〔19歳ら2人が電車内で殺人〕
 東京都の京浜東北線の車内で、肩がぶっかったとして5人対8人のケンカがあり、鳶(19)と鳶(24)が建築作業員(34)を殴り殺して逃走したが、翌日逮捕された。


昭和34年(1959).6.21〔17歳元相撲取りが強盗殺人未遂〕
 東京都台東区の旅館で、元相撲取り(17)と内縁の妻(20)がバーマダム(29)を脅して現金を奪い首を絞めようとしたがマダムは逃げようとして窓から飛び降り重傷を負い、力士夫婦は強盗殺人未遂で逮捕された。相撲取りは破門されて生活に困っていたが、兄弟子の使いで会ったことのあるマダムが金を持っているのを狙って、「女との別れ話に立ち会ってくれ」と誘い出したもの。


昭和34年(1959).6.21〔19歳米兵士が機関銃盗む〕
 東京都西多摩郡福生町の米軍横田基地で、三等兵士(19)が軽機関銃2丁、ピストル12丁、670発の弾を盗って逃走した。


昭和34年(1959).6.21〔19歳慶応大生ら10人が大乱闘〕
 神奈川県鎌倉市の鎌倉駅前で深夜0時前、慶応大生(19)が二松学舎大生(20)と肩がぶつかったことでケンカとなり、仲間10人で大乱闘となって逮捕された。海水浴帰りで、慶大生はバットを振り回して暴れていた。


昭和34年(1959).6.22〔19歳が整形手術のために強盗〕
 秋田県秋田市の雜貨商宅で寝ていた女性(69)を棍棒でめった打ちにして現金7万5千円を奪って逃走した魚屋店員(19)が7.3に逮捕された。「雑誌の鼻を高くする整形手術の広告を見てやってみたかったが、金がなかったので」と自供した。東京の整形外科で手術を受け、抜糸に来たところを待ちかまえていた警察に捕まったもの。


昭和34年(1959).6.22〔小4が父親に叱られた腹いせに空巣放火〕
 東京都豊島区長崎の小学4年生(10)が、空巣を働いた会社員宅に放火、恐ろしくなって自分で通報をして捕まった。父親に叱られ、その腹いせにと起こした事件。母親が家をでてからグレて、度々補導されていた。


昭和34年(1959).6.22〔15歳ら3人が愚連隊抗争で刺傷〕
 東京都練馬区の公園で、無職(15)、鳶(16)、農業(19)の3人が、ナイフで無職(19)を刺し、1ヶ月の傷害を負わせた。仲間が殴られたことの復讐。3人は逃走したが、駆けつけた安藤組10人に捕まって針金で縛られリンチを加えられようとしていたところを警官に見つかり全員が逮捕された。


昭和34年(1959).6.24〔17歳女推理小説マニアの狂言強盗〕
 東京都北区の歯科医宅で、女中(17)が後ろ手に縛られガス管が開けられて意識不明となっているのを発見されたが、命は取り留めた。女中は推理小説マニアでお巡りさんが集まるのを見たいための狂言強盗だったと自供した。


昭和34年(1959).6.25〔24歳ニートが父親に殺害される〕※参考
 東京都世田谷区の自宅で、父親(63)が3男(24)を殺害。働かない3男が酔って帰ったためケンカして電気コードで絞殺したもの。東京地裁は執行猶予判決。


昭和34年(1959).6.28〔18歳ら8人が多摩少年院脱走〕
 東京都八王子市の多摩少年院で、8人(18〜19)が教官(34)を殴って脱走した。





昭和34年(1959).7.1〔中1と小3女子の兄妹がスリ〕
 東京都の上野松坂屋で、中学1年生(12)と小学3年生の妹(8)が女性刑事のハンドバックからスリをしようとして捕まった。無職の父親は生活保護を受けているにもかかわらず競輪に凝り、4日前に栃木県宇都宮市押切町から2人を連れて上京、競輪に通っていた。兄妹は昨年2月に姉の中学3年生の姉(14)と共にこのデパートでスリを働いていた。


昭和34年(1959).7.1〔危険な十五歳 戦後の混乱に育ち追われる進学、職の問題 朝日新聞引用〕
六つの坊やを"十五歳の少年"が投げヤリで殺したという事件は世間に大きなショックを与えた。なぜ、"十五歳の少年"がこんなことをと、だれもが考えさせられることだが…この年ごろの子供は戦争末期に生れ、戦後の厳しい混乱時台に育った。学校でいえば中学三年生か高校の一年生という教育の切れ目に当る。身体もローティーンの最後で、大人への目ざめがそろそろでてくろころでもある。むずかしい条件がいくつかかさなった。"若い厄年"の世代といえそうだ。十五歳という年齢の姿を追ってみた。

いま満十五歳(七月一日現在)の子供、昭和十八年七月二日から十九年の七月一日までの生れ。戦争も終末期に入り、日木が空襲の苦しみにさらされた歳月に幼児期を送った。この子供たちはいま高校か社会へ出て新しい人生のスタートを切ったものか、または来春の中学卒業を前にして受験勉強や就職の試煉にたたされている。
進学組の方はくる日もくる日も補習教育の連続だ。武蔵野市などの東京都下八市の実態調査(三十二年九月)では、八市37校の中学校のうち35校までが入試のための補習授業をしていた。残りも三年生のいない新設校で、実質的には百%の補習授業だ。日教も週平均で4・5-4・8日。つまり一週間のうち一日か二日休むだけで、他の日はぶっ通しやっている勘定。冬休みなどは、元日しか休んでいない。補習教育は正規の授業が終ってからだが、一週に38時間の補習をやっている学校もある。中学校で一週間にやる正規授業時数は36時間が普通なので、補習教育の方がかえって負担が重い。生徒たちは「とても疲れる。でも、先生や両親がもっとやれというから…」という。この調査でも「これでよいのだろうか。生徒の身にもなって、行き過ぎを改める時期だ」といっている。
就職組の悩みも深い。労働省年少労働課では今春中学を出て働いている少年のうち約二万人へ「一郎君への手紙」というのを近く送る。離職を思いとどまらせようというネライのものだ。年少労働者の危機は就職してから三カ月目に訪れるという。夢中の時期がすぎて職場の不満や批判が高まるころで、この時期に離職する少年がグンとふえるのだ。ちょうど今月がそれにあたる。
なぜ少年の離職者が多いのか。年少労働課の徳永課長補佐は「学窓を出た15、6歳の少年たちが現実に幻滅し職を離れて転々とする事例は実に多い。労働条件の約束が違うとか過酷すぎるというのが離職の大きな原因だ。いま中卒者の初任給は男子で平均6千2百余円。だいぶ良くはなったが、まだまだ低い。8時間以上12時間も働かされる場合がある。その他、はじめて見る職場の大人たちの世界は見にくい面もあり、ことに精神の動揺期にある少年たちには深刻に映るらしい。少年たちは夢を持てず、将来への不安からつぎつぎに職をやめてしまうのだ」という。
では、この年頃を包む環境は…去年の十月、タクシーの運転手を殺して、自動車を奪いとろうとした十四歳の少年があった。調べてみると、自動車の運転にあこがれ、テレビで運転手を殺す場面を見たことがヒントとなって、アイクチと黒メガネを買い、タクシーに乗込んだものと分った。少年の父は日雇労働者だが、家にいることが面白くないために、何度か家出をしたり、盗みも働いていたといい、こんども「もう家には帰りたくない」といって係官を困らせた。
このように映画や、テレビ、本などが少年の不良化に直接影響したとみられる非行少年の例は、昨年一年間に警視庁へ報告されたものが七十七件。このうち映画(血まみれの決闘、錆びたナイフ、赤胴鈴之助など)がいちばん多くて四十四件、つぎが出版物(平凡、夫婦生活、青春人生読本、実話雑誌)で三十二件。傾向としては、性的な犯罪は出版物に、盗み、強盗などは映画に影響される率が多かった。
さいきんの少年犯罪で目立つのは「運転手殺し」の少年とおなじ十四、五歳という年齡層の進出だ。さる三十年の各年齢別の件数に比較すると、昨年は十四歳が七倍、十五歳が五・五倍で、それ以外の年齢の犯罪少年のふえ方はその半分以下で、警視庁少年課もこの傾向を重視している。
小児精神衛生のお茶の水女子大教授平井信義氏は、いま大阪大学、国立公衆衛生院と「青年期のアクセラレーション(加速度)」という共同研究にとり組んでいる。十四、五歳のローティーンからハイティーンに移る子供たちの心理、生理がそのテーマだ。この研究からみても「十五歳前後は、子供たちがはじめて出会うはげしい転換期だ」そうだ。年間の発育量(体重、胸囲、身長などの総合)は男子は十四、五歳、女子は十二、三歳が一生における最高だ。十五歳は男の体位が女を追い越すときでもある。生理的に大人になるのは女は十三、四歳、男は十五、六歳。子供たちがはじめて情神的、生理的な"革命"を経験する年齢。しかも体はどんどん成長し、心はあえぎながら、これを追っていくといったアンバランスの年齢だそうだ。
では、この"若い厄年"の処方は一同教授も浅見千鶴子お茶の水女子大助教授も「急場に間に合う処方はない。若い厄年を無事にすませるには、つまるところ長い目で親たちが配慮するほかいたし方がない」といっている。
(1959.7.1 朝日新聞引用)


昭和34年(1959).7.3〔18歳がケンカして同僚刺殺〕
 東京都文京区の金物問屋で、住み込み店員(18)が同僚(19)の胸や腹を果物ナイフで刺して殺害、すぐに傷害致死で逮捕された。以前から仲が悪く、殴られたのでカッとしたもの。


昭和34年(1959).7.7〔中3女子がリーダーの「もんじやグループ」63人〕
 東京都足立区本木町の中学3年生女子3人をリーダーとする、小学生2人を含む「もんじやグループ」63人が捕まった。学校をサボって、万引きや不純異性交遊などを繰り返していた。


昭和34年(1959).7.7〔18歳ら4人が警官袋叩き〕
 神奈川県川崎市の公園で深夜1時、肉屋兄弟(18,22)ら4人が、通行人にからんでいたところ、警官(27)が留めに入ったのでベルトや下駄で袋叩きにした。


昭和34年(1959).7.7〔父親が保険金欲しさに小5殺害〕※参考
 佐賀県多久市の自宅で朝4時、父親(40)が三男の小学5年生(10)の頭をマキで殴って殺害、死体を階段から突き落とした。母親(32)が病院に担ぎ込んでから、階段から落ちて死んだと警察に届けたが、二階の部屋が血だらけなので追及すると、保険金欲しさに就寝中の三男を殺して事故死に見せかけたと自供した。母親は知らなかったと云うので釈放。精肉業だが7人の子どもがいて生活は苦しく借金がかさんでいた。1月に三男に百万円の保険を掛け、5月には四男にも2百万円の保険を掛けていた。


昭和34年(1959).7.16〔16歳ら兄弟が日本刀で刺殺〕
 東京都江東区の盆踊り会場で、鳶(19)と工員(16)の兄弟が、渥美一家組員(17,18,22)3人を日本刀で襲い、18歳を刺殺、2人に重傷を負わせた。殴られたことへの復讐。


昭和34年(1959).7.16〔18歳がケンカの復讐で刺殺〕
 神奈川県横浜市の相模鉄道上星川駅で、工員(18)が店員(19)の胸を牛刀で刺して殺害した。この日に横浜駅でケンカして殴られたことへの復讐。


昭和34年(1959).7.18〔18歳がパチンコのために学校荒らし〕
 東京都板橋区徳丸町の無職(18)が、高校や大学、小学校など5件、3万円を盗んで捕まった。工員だったが、父親に連れられてパチンコ屋に行って以来、給料を前借りしてまで病みつきになり会社を辞め、4日にパチンコを止めるかどうかで父親と喧嘩して家出。学校荒らしをしてパチンコ代を稼いでいた。


昭和34年(1959).7.20〔中1ら兄弟が父親殺して自殺〕
 福岡県柳川市の農家で夜11時、次男(22)と五男の中学1年生(13)が父親(59)を縄跳びで絞殺、死顔を見て急に寂しくなって自殺しようと相談して首を吊ったが、次男は床に足がついて死ねず、五男だけ死亡した。父親が酒乱で近所に恥ずかしいので、ほかの兄弟が祭で出かけているうちに殺害したもの。母親は三年前に病死している。


昭和34年(1959).7.23〔17歳ら少女ばかりの愚連隊〕
 東京都渋谷区宇田川町のロカビリー喫茶を根城にしていた少女ばかりの愚連隊6人(17〜19)が捕まった。家出してヤクザと付き合い、OL(20)に因縁をつけて顔に3週間の怪我を負わせて金を盗るなど、大学生や中年男性の酔っぱらい相手に暴行、脅し、傷害を重ねていた。


昭和34年(1959).7.29〔17歳ら4人が8千キロの窃盗無免許ドライブ〕
 大阪府高槻市や兵庫県伊丹市の無職(19〜17)4人組が、10数件、500万円相当の盗みで捕まった。車2台を盗み、1日300キロ走り、金庫破りなどをしていた。東京、名古屋、香川、徳島など8000キロもドライブ。無免許で、盗んだ免許証に自分の顔写真を貼り付けていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).7.31〔少年3人含む暴力団8人がオヤジ狩り〕
 東京都台東区浅草の露天商(21〜28)5人と少年3人の暴力団員8人が、4月から20件100万円の辻強盗で捕まった。盛り場で少年の一人が50歳前後の男性にぶつかって因縁をつけ、他の者が腕を押さえつけて金を奪っていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).7.31〔小5がモリで誤って友人刺す〕
 千葉県安房郡の海岸で、小学5年生(11)が水中で手製のモリで魚を獲ろうとして5年生(11)の腹に刺し背骨まで貫通した。5年生はモリを抜いて病院に運んだが重体。友達4人で遊びに来ており、学校ではモリ遊びを禁止していた。


昭和34年(1959).8.7〔16歳ら7人組自動車盗んで日本一周〕
 東京都府中市の少年7人(16〜19)が新品のルノー(40万円)を盗み、翌8日にもう一台の小型自動車を盗み、2台に分乗して日本一周を目指して西に向かったが三重県で事故を起こしてさらに小型自動車を盗んで乗り継いで、下関市で金を使い果たしたので車の時計を売ろうとして逮捕された。「七人の勇士、一路箱根へ、調子は上々。自分たちの旅行が長く続くことを祈る」と書いた紙をお守りに入れていた。


昭和34年(1959).8.10〔18歳が老人を強盗殺人〕
 群馬県佐波郡の川で、無職少年(18)が釣りをしていた老人(76)がスパナで殴って殺害し時計を奪ったが、翌日に逮捕された。金欲しさの犯行。


昭和34年(1959).8.16〔13歳2人と16歳の3少年が盗んだ車で無免許ドライブ〕
 東京都新宿区市ヶ谷の中央児童相談所から、16日に13歳2人と16歳の3人が脱走、盗んだ高級外車で箱根まで猛スピードで無免許ドライブ。警官に見つかりそうになって車を捨て、列車の窓の外にぶら下がって無賃乗車で東京に戻り、19日に小型トラックを盗んで千葉などを走り回って21日までに捕まった。


昭和34年(1959).8.17〔中3歳ら5人が盗んだ車でドライブ〕
 神奈川県川崎市で深夜2時過ぎ、中学3年生(15)ら5人が自動車を盗み、店で果物やサイダーを盗んでドライブ、すぐに捕まった。


昭和34年(1959).8.19〔中1女子が父親殺人未遂〕
 高知県安芸市の自宅で夜11時、中学1年生女子(13)が酔っ払って寝ている父親(56)を焼き殺そうと石油をまいてから家に火を付け逃走したが、隣家の住人が発見して消し止め未遂に終った。人夫をしている父親は酔って家族に乱暴するため、母親は前日に離婚して大阪の親戚宅に向かったが、娘が付いて行くのは赦さずに殴ったので思い余ったもの。


昭和34年(1959).8.20〔高3が爆弾製造して脅迫〕
 東京都大田区で、高校3年生(17)が保険会社代理店店主(73)宅に爆弾を投げ込み爆発させ窓ガラス9枚を割り、3万円を要求する脅迫電話を数回掛けた。翌日も「前より大きい爆弾が手に入った」と催促の電話を掛け、8.22に受け取りに来たところを張り込みの警察に逮捕された。中流家庭でまじめな生徒だったが、夏休みに悪い友人ができ、素行が悪くなっていた。金欲しさに花火の火薬と小石を詰めた爆弾を製造したもの。


昭和34年(1959).8.22〔15歳が幼女ら殺傷〕
 兵庫県城崎郡の公園で、パン職人(15)が小学2年生の女の子(7)と看護婦(17)を崖から二十メートル下の海岸の岩に突き落とし、女の子を殺害、看護婦に瀕死の重傷を負わせて逃走、すぐに逮捕された。推理小説を読み耽った影響から、たまたま見かけた看護婦をレイプしようとして突き落とし、目撃者の女の子も殺そうとしたもの。精神分裂症らしく自傷や糞尿を飲んだりする癖があり、罪の意識もない。


昭和34年(1959).8.22〔18歳が主人の娘を刺す〕
 東京都墨田区のオモチャ屋で、店員(18)が主人の長女(16)の腹を飛び出しナイフで刺して重体として自首した。


昭和34年(1959).8.22〔中1がケンカして友人を殴り殺す〕
 神奈川県横須賀市の空き地で、中学1年生(12)が同級生(12)とケンカして殴り殺した。被害者が海水浴に誘ったが嫌だと足を蹴ったため怒った被害者に呼び出されたもの。


昭和34年(1959).8.22〔18歳ら4人が酔っぱらって道路に寝ていて轢かれる〕
 東京都品川区の路上で、4人が酔っぱらって道路に寝ていて全員が車にひかれて工員(18)が重体となった。


昭和34年(1959).8.22〔18歳ら4人が酔っぱらって道路に寝ていて轢かれる〕
 熊本県熊本市で、少年(18)3人が乗用車を盗んで無免許で運転、途中で女給(18)を乗せて盗みを働きながら旅行して、8.26に広島市で逮捕された。反省はまったくなく「面白い旅だったなあ」「もう一度やるといいゾ」と笑っている。


昭和34年(1959).8.22〔甲子園出場経験のある早大2年生が自殺〕
 東京都新宿区戸塚の下宿で、早大第二政経学部2年生(19)が自殺。遺書は無かったが、昨年野球部入部直後に肩を壊して退部、選手生活が送れないことを悲観していた。福岡県出身で、甲子園に出場していた。


昭和34年(1959).8.22〔中2含む4人組強盗殺人〕
 東京都豊島区の路上で前科6犯のパチプロ(35)が殺害されて、遊び仲間4人組が逮捕された。遊ぶ金が無くなったとき無職女(22)が「金を脅し取ろう」と誘い、たまたま通りかかったパチプロに女が話しかけて隙をつくり、中学2年生(14)2人が腕を押さえ、土木作業員(18)が匕首で刺し殺して腕時計を奪っていたもの。


昭和34年(1959).8.23〔15歳ら8人が55件1500万円相当の窃盗〕
 神奈川県横浜市のアパートを拠点に、関東各都県で車8台や電気器具など55件1500万円相当を盗んでいた無職(23〜20)3人と15歳ら少年5人の8人組が捕まった。盗んだ車で電気店に押し入り、商品全てを奪うこともあった。車は1度限りで乗り捨てていた。稼いだ金は遊興費に消え、8人全員が家出娘などを愛人にしていた。リーダー(23)は法政大学を盗みで中退していた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).8.28〔16歳理髪店員が強盗〕
 東京都板橋区名永川町の路上で、理髪店店員(16)が女性(55)の背中をジャックナイフで刺し、1週間の傷害を負わせ、すぐに自首した。仕事が辛く、帰郷代欲しさ。


昭和34年(1959).8.31〔小4女子が怪我をさせたことを苦に自殺〕
 千葉県君津郡の貯水池で、小学4年生女子(10)が入水自殺をした。この日、友人の少女(6)を自転車に乗せ、手放し運転をして転倒し、右手を骨折させてしまった。両親に叱られたことと責任感から自殺したものと見られている。カジ職(51)の四女。





昭和34年(1959).9.1〔16歳ニートがピストル製造〕
 静岡県浜名郡で、無職(16)が昨年から学校の図書館などで情報を得て150メートルは飛ぶ本物に近い性能のピストル4丁を自作、弾も鉛を溶かして造り、友人に売っていたが、買った高校生2人(16)とともに補導された。身体が不自由なため今年高校を中退していた。


昭和34年(1959).9.1〔17歳がレイプ殺人〕
 茨城県那珂郡東海村で、大工見習い(17)が顔見知りの主婦(21)を松林に誘い込んでレイプしようとしたが抵抗されたため絞殺、翌日全裸死体が発見され、11.24に逮捕された。


昭和34年(1959).9.5〔中3ら3人が家出して恐喝の連鎖〕
 東京都台東区浅草で、板橋区から家出してきた中学3年生(14)が無職(19)2人に腕時計と80円を恐喝されたが、腕時計を質で換金した後にまた会って仲間に加わり、北海道からの家出少年など相手に1日で20件の恐喝をし、腕時計や現金を奪ってその日のうちに捕まった。無職2人も北海道と石川県から7月に家出して上京、浅草六区の恐喝グループに脅され仲間になっていた。


昭和34年(1959).9.10〔15〜17歳6人の愚連隊「いれずみグループ」〕
 東京都世田谷区の小田急線東北沢駅前で、中高生にカツアゲを10件以上繰り返し、大学生(23)に殴る蹴るの暴行を加えて傷害を負わせていた15〜17歳の不良少年グループ6人が捕まった。中学卒業後定職に就かず、ゆすりや売血で遊興費を稼ぎ、ヤクザ映画に触発されて肩に花札と「命」の文字とを刺青していたことから「いれずみグループ」と呼ばれていた。桃色遊戯相手の少女2人もグループと一緒に補導された。


昭和34年(1959).9.11〔中2、小6、小2の3姉妹が不倫する母に抗議の自殺〕
 東京都北多摩郡の、中学2年生の長女(14)、小学6年生の二女(11)、小学2年生の四女(7)の少女3人が、11日に家出し、18日までに玉川上水で死体となって発見された。三女の小学3年生(9)も一緒に家出をしていたが12日に戻った。
 父親(49)は数年前に肺結核で失職。長女は勉強時間を削って父親の内職を手伝い、妹の面倒を見ていたが、後妻の母親(38)は勤務先の男と不倫をし、度々家をあけていた。「お母さんに別れてくれるように頼みましたが、余計なことを言うな、お前のような子は死んでも構わないと言われました。そうなればお父さんはかわいそうですが、私たちにはもう死を選ぶ道しかありません。お母さん、まじめになって下さい」との連名の遺書が残されていた。


昭和34年(1959).9.11〔18歳らヤクザ抗争で刺殺〕
 東京都新宿区歌舞伎町の路上で、暴力団住吉一家の子分の18歳と19歳の少年を含む10人が、対立するヤクザ2人を襲い、1人(19)が刺殺された。短刀で致命傷を負わせた21歳は、13日に凶器持参で自首。福島県から上京して3日後、職が無かったことから愚連隊に入隊し、8時間後の初仕事が今回の殺人だった。


昭和34年(1959).9.12〔高2が教室で刺殺〕
 埼玉県熊谷市の定時制高校の教室で、2年生A(16)が4年生B(18)をナイフで刺し殺した。前日にAの友人が別の4年生と給食のことでケンカになりAに助けを求めた。Aはナイフを取り出したため4年生は逃げてBに助けを求めた。翌日にBは教室に来てAを殴り、さらに椅子で殴ろうとしたため、いきなりナイフで刺したもの。


昭和34年(1959).9.13〔17歳が空気銃で男の子を撃つ〕
 東京都江戸川区で、工員(17)が空気銃で男の子(4)を撃って2週間の傷害を負わせた。ハトを狙って、すぐそばの男の子に当たってしまったもの。


昭和34年(1959).9.13〔女子高教師、バレー試合中生徒に整列ビンタ〕
 東京都で、女子高教師、バレー試合中生徒に整列ビンタ。


昭和34年(1959).9.14〔17歳が父母に強盗〕
 長野県安曇郡の自宅で、夫婦が強盗に襲われ重傷を負ったが、長男(17)が犯行を自供した。理髪店で住み込みをしていたがたびたび両親の元に金をせびりに行ったためいい顔をされないので強盗を思いついたもの。


昭和34年(1959).9.14〔中2ら4人が14台のバイク窃盗〕
 東京都中野区の中学3年生(15)3人と、中学2年生(14)の計4人が、半年間にバイク14台75万円相当を盗んで捕まった。相模湖などへツーリングに出掛け、ガソリンがなくなると故買屋に売り飛ばし、新たに盗んでいた。家庭は中流で、カミナリ族に影響されたもの。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).9.15〔少年10人を含む20人が暴力団抗争で殺人〕
 東京都足立区の荒川土手で、少年10人を含む20人が乱闘し、無職(32)を匕首などで殺害、10.22に逮捕された。暴力団森川組の幹部(35)の手下だが、別の幹部のグループと対立したもの。


昭和34年(1959).9.19〔少年10人を含む20人が暴力団抗争で殺人〕
 山口県下関市で、無職(18,19)2人が強盗して逃走中に巡査3人に見つかり、肉切包丁で胸を刺して重傷を負わせたが逮捕された。


昭和34年(1959).9.21〔大学生3人が酔って通り魔〕※参考
 東京都杉並区高円寺の路上で、明治大学工学部2年生(21)、青山学院大学経済学部1年生(22)、法政大学法学部3年生(23)の3人組が、魚屋店員(17)を殴って腹を登山ナイフで刺して1ヶ月の重傷を負わせた。直後に早稲田大学生(21,22)2人の腹を刺して重傷を負わせ、翌日逮捕された。酔って無差別にケンカを吹っかけたもの。


昭和34年(1959).9.22〔17歳が路上で刺傷〕
 東京都武蔵野市の都立武蔵野高校前で、少年(17)が女子生徒にからんでいたので、定時制1年生(18)が割って入ったが、少年はナイフで胸を刺して1ヶ月の重傷を負わせた。逃走したがすぐに逮捕。


昭和34年(1959).9.22〔中学生数十人が乱闘〕
 東京都目黒区の中学校で、世田谷区の中学3年生20人が殴り込みをかけ、同校の3年生10数人と棒で殴り合った。以前から2校で抗争があり、運動会の練習をからかったことからケンカになったもの。


昭和34年(1959).9.22〔中2ら4人が14台のバイク窃盗〕
 東京都目黒区の中学校で、3年生(15)3人と、中学2年生(14)の計4人が、半年間にバイク14台75万円相当を盗んで捕まった。相模湖などへツーリングに出掛け、ガソリンがなくなると故買屋に売り飛ばし、新たに盗んでいた。家庭は中流で、カミナリ族に影響されたもの。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).9.24〔19歳が幼女レイプ殺人 美砂子ちゃん殺し〕
 埼玉県川口市の荒川土手で、土木作業員(19)が小学5年生の女の子(10)をレイプしてから絞殺した。翌年2.5に別の強姦未遂事件で逮捕され、犯行を自白した。


昭和34年(1959).9.26〔15歳ニート女子が叔母を殺害未遂〕
 東京都渋谷区の自宅で、無職女子(15)が同居している叔母(33)の首を絞め、ナイフで腹を刺して重体とした。この姪の父親は戦病死し、母親も7歳の時に死んだため小学6年生から会社員の叔父夫婦に引き取られていたが、やがてグレだし不良仲間と遊び歩くようになったために1年間保護施設に入れられ、その後も女工や店員の仕事を1週間で辞めてぶらぶらしていた。「食事のあとかたづけくらい手伝いなさい」と叱られたのを怨んで殺人計画を立てていたと自供。


昭和34年(1959).9.27〔東京オリンピックを期待された中大1年生が自殺未遂〕
 岐阜県岐阜市金町の旅館で、中央大1年生(19)が睡眠薬自殺を図ったが、女中に発見され、一命を取り留めた。東京オリンピック期待の陸上選手。「競技をこれ以上続ける自信を失えば、生きる希望が無い」との遺書を残していた。


昭和34年(1959).10.5〔病院前で胎児の死体盗まれる〕
 東京都で、病院前で胎児の死体盗まれる。


昭和34年(1959).10.7〔18歳ら2人が強盗刺傷〕
 東京都渋谷区の民家に、無職(18,20)2人が強盗に押し入り、女性(25,27)2人をナイフで刺して1ヶ月の重傷を負わせ、何も取らずに逃走したが、故郷の栃木県今市で12日に逮捕。


昭和34年(1959).10.8〔17歳が少女殺害〕
 東京都立川市で、少年(17)が逮捕された。少女を海に突き落として殺害したもの。恋愛関係のもつれが原因。姉(30)も犯人隠匿で逮捕。大分県別府市出身。


昭和34年(1959).10.8〔女高生、就職試験で辱め、抗議の自殺〕
 静岡県で、女高生、就職試験で辱め、抗議の自殺。


昭和34年(1959).10.12〔母親が遺書を書かせて自殺を装い娘殺害〕※参考
 北海道帯広市のアパートで、小学2年生の女の子(8)が睡眠薬を飲んで自殺、「ひとからまりこがきかないといわれて、おかあさんにしんぱいかけてごめんね」という遺書も見つかったが、母親の女給(27)が遺書を書かせてから睡眠薬を飲ませて殺害したことが発覚、16日に逮捕された。父親(31)が3年前に家出して、生活が苦しかったため。


昭和34年(1959).10.16〔18歳が教師殺人と窃盗〕
 東京都中央区で、無職(18,24)2人が、学校で20件120万円相当を盗んで豪遊していて捕まった。18歳は新潟県長岡市の路上で7.6に起こった教師殺人事件の共犯であることも自供。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).10.22〔20歳大学生がスカート切り魔〕※参考
 東京都渋谷区の山手線渋谷駅で、横浜市大2年生(20)が女子大生(20)のスカートをハサミで切って逮捕。


昭和34年(1959).10.23〔中3がニセ札偽造して使用する〕
 北海道中川郡の呉服屋で、中学3年生(15)がニセの千円札で靴下を買ってつり銭750円を詐取した。29日に同じ呉服屋でニセ札を出して捕まった。少年雑誌の広告に出ていた万年筆が欲しくて、絵の具と色鉛筆で偽造したもので、詐取した金ですでに万年筆を入手していた。農家の次男。


昭和34年(1959).10.23〔小5女子が給食費盗んだと疑われ自殺〕
 広島県佐伯郡の自宅で、小学校5年生女子(11)が首吊り自殺した。学校で同級生の給食費を盗んだと疑われ、祖母に叱れた直後だった。


昭和34年(1959).10.24〔20歳大学生がタクシー強盗〕※参考
 東京都豊島区池袋で、法政大3年生(20)がタクシーに乗って、「金を出せ」と言いながら運転手(40)の首をナイフで刺して2週間の傷害を負わせすぐに逮捕。仕送りが途絶えてしまったため。


昭和34年(1959).10.26〔23歳が幼女レイプ殺人〕※参考
 琉球(現在の沖縄県)那覇市で、無職(23)が小学2年生の女の子(8)を草むらに連れ込み強姦しようとしたが泣きわめいたのでカッとして首を絞め背中を踏み付け殺害、女の子の亡霊に悩まされ神経衰弱になって翌年5.31に自首した。


  昭和34年(1959).10.29〔20歳大学生がタクシー強盗〕※参考
 東京都麹町で、「学生援護会」元法政大生(26)ら3人が逮捕された。10万人から1億円の儲け。。





昭和34年(1959).11.1〔少年が幼児誘拐〕
 山口県吉敷郡の広場で、少年(14)が遊んでいた男の子(10)を「おばあちゃんが呼んでいる」と連れ出し、2.5キロ離れた寺の本堂で手足を縛って監禁した。「警察に言ったら子供の命がないぞ。50万円持ってこい。ゆうかいまより」という脅迫状を郵送したが、すでに男の子は救出されており、身代金強奪は未遂に終わった。探偵小説ファン。両親に放任されており、成績は悪かった。


昭和34年(1959).11.3〔16歳少女が自殺。養母も後を追い、自殺〕
 神奈川県横浜市の農家で、養女(16)が財布の100円がなくなったことを母親(44)に問い詰められ、農薬を飲んで自殺をし、直後に母親も後を追って自宅の井戸に飛び込んで自殺をした。円満な家庭だった。


昭和34年(1959).11.4〔高1が空気銃で自殺〕
 東京都千代田区の自宅自室で、明治高校1年生(16)が空気銃でこめかみを撃って自殺した。先月にオートバイで名古屋旅行をして、対抗車に突っ込んで死のうとしたができなかったと言っていた。「世の中のすべてが嫌になった」という遺書を残していた。バケツ製造業の4男。


昭和34年(1959).11.4〔18歳がケンカして同僚刺殺〕
 東京都大田区の洋品店で、住み込み店員(18)が就寝中の同僚(18)の胸をナイフで刺して殺害、すぐに自首した。2人とも数週間前に勤めたばかりだが仲が悪く、ケンカしてカミソリで足を切られたので復讐を図ったもの。


昭和34年(1959).11.5〔14〜20歳の少年暴力団「国友会」〕
 東京都大田区の蒲田駅を縄張りとする、中学生4人、18歳の少女2人など14歳〜20歳24人の愚連隊「国友会」が捕まった。胸に金バッチをつけるなどヤクザに強い憧れを持ち、「銀座の暴力団を乗っ取り、東京一の組織にする」のが夢だった。恐喝11件、詐欺4件、盗み1件、暴行1件などで稼ぎ、ドライブや桃色遊戯を楽しんでいた。


昭和34年(1959).11.6〔ふえた小・中学生の犯罪 大人が教えた転落 読売新聞夕刊引用〕
「今の世の中に処女なんておかしくて−」「そうよ、みんなすました顔しているけど、カゲでなにしてるんだか、あたいたちがやるの当たり前じゃないサ」
 児童相談所の調べ室で、ケロリとした顔でこんな会話をかわしあっている十二、三歳の少女たち。中央児童相談所でこの半年間に三十三人の少女を検診したところ六人が性病を持っており、そのうち最年少は十一歳、最近では初潮前の少女が性行為を経験している例さえ珍しくないといいます。それらの大半が大人の暴力によるものですが、行為のあとでお金をもらったため味をしめ、学校をさぼり家を逃げ出しても、町へ出かけて「おじさん、お金くれれば言うこときくわよ」と誘えば生計の道?が立つことを逆に知ってしまう−。つまり大人がそうした転落頃巣を教え、突き落とす場合が多いといいます。(後略)


昭和34年(1959).11.7〔16歳が山本富士子宅に強盗〕
 東京都渋谷区の山本富士子宅で、工員(16)が山本さん(27)にナイフを突き付け「金を出せ」と脅した。女中が非常ベルを押したため駆けつけた警察に逮捕。山本さんは逃げようとして階段から落ちてケガ。「中耳炎の治療代と遊ぶ金欲しさのため」雑誌で山本さんが女所帯であることを知り大阪府布施市から4日に上京して6日に侵入、物色しているうちに物置で寝てしまったと自供。6人兄弟の長男。
 なお、23日には法政大中退の男(23)が山本さんから百万円を脅し取ろうとして逮捕されている。


昭和34年(1959).11.9〔17歳らがケンカで刺殺〕
 東京都渋谷区の路上で、美容学校生2人(17,18)がフランク永井付きのバンドマン(27)と日大生と肩がぶつかったためケンカとなり、登山用ナイフでバンドマンを刺殺、日大生に重傷を負わせて逮捕された。


昭和34年(1959).11.9〔高2ら3人組がレイプ〕
 東京都豊島区の神社お堂で、高校2年生(16)2人と左官見習いの3人組が無職少女(17)をレイプしてすぐに逮捕された。


昭和34年(1959).11.9〔裁判官にとびかかる "少年院送り"の乱暴激増 朝日新聞引用〕
家庭裁判所で審判をうける少年が、裁判官にとびかかるなど大あばれする例が最近めだってふえてきた。最高裁ではこのほど、各地の家裁に実情の報告を求める通達を出し、今月末の全国少年係裁判官会同で原因や対策を検討することにしている。

先月末、大阪家裁の裁判官たちは「このままでは裁判所の威信がたもてないばかりか、裁判官の身にも危険を感ずる」との報告書を最高裁家庭局に出してきた。それによると、同家裁の少年審判廷では、こうした騒ぎが三十一、二年には二件ずつしかなかったのに、三十三年は九件、ことしに入ってからは十二件も起きている。
どれもきまって裁判官が「少年院送り」といい渡したとたんのことだ。机の上の記録を投げつけ、裁判官におどりかかろうとした十八歳の少年、十四歳の少女があばれまわって窓ガラスを二十枚もこわした例など。「殺してやる」と叫びながらイスをふり上げ、あやうくとめられた少年もある。東京家裁でもインクビンや灰ザラをつかんで投げつけるようなことが時々あるという。
審判廷といっても、刑事法廷とはちがってふつうの事務所だ。テーブルをはさんで裁判官と少年が向かいあうだけ。少年鑑別所の事務室を臨時につか一つ仮審判廷では、ことにこういう事故が起りやすい。だから「法廷にちかい、威厳のある施設に改善し、警備員もふやしてほしい」というのが大阪家裁の要望だった。しかし、市川最高裁家庭局長は「間題はもっと根ぶかい」とみている.「こういう傾向が出てくると、すぐ非行少年の凶悪化だと片づけられがちだが、原因は裁判官の方にもあるのではないか。第一に、裁判官の人手不足、もうつひとつは、経験のたりない判事補が多くなってきたことだ。そのため、相手の少年にいきなり言い渡すものだから興奮させる」と同局長はいう。 少年事件は二十七年から三十三年まで約三倍にふえているのに、少年係裁判官、調査官の数はほとんど変っていない。事件に追われては、一人一人の少年とゆっくり話し合うひまもなくなってくる。窃盗などは、審判の時間はふつう十数分、調査官の報告書をもとに、それで少年の処分はきまってしまう。また、裁判官の絶対数が足りないため、経験の深い裁判官はともすると地裁にとられ、経験五年以下というような若い判事補が少年係に回されてくる。大阪家裁の例では、ことし騒ぎを起した十一人のうち九人までが窃盗程度の軽い罪で、粗暴犯ではなかった。そうした少年があばれるのは、たいてい若い判事補の担当した場合だと最高裁当局でもいっている。
東京家裁中川上席判事の話「実際に少年あつかっていると、ちかごろの非行少年は以前にくらべてずっと情緒が不安定になっており、興奮して乱暴もしやすい。後略」
(朝日新聞11・9)


昭和34年(1959).11.16〔高3が女友達のために刺傷〕
 東京都大田区の空き地で、高校3年生(18)2人が工員(19)の腹をナイフで刺して2週間の傷害を負わせてすぐに逮捕された。高校3年生女子(17)が工員につきまとわれて困っていると聞いてやったと自供。


昭和34年(1959).11.16〔女子中学生ら11人がナイフでケンカして刺傷〕
 東京都板橋区の路上で、工員(16,18)2人が工員(17)3人とケンカとなったが負けそうになったので工員(19)が出刃包丁で加勢して相手を撃退した。それを見ていた関係ない無職(17,27)2人と女子中学生3人の5人組が「生意気だ」といきなり3人をナイフで刺して3週間の傷害を負わせてすぐに全員逮捕された。女子中学生は直前にナンパされたばかりですぐに帰された。


昭和34年(1959).11.17〔17歳がケンカでピストル射殺〕
 福岡県山田市の路上で、少年(17)が男性(32)と肩がぶつかったことでケンカとなり、所持していたピストルで頭と胸を撃って殺害、すぐに自首した。少年の兄の炭鉱採掘会社社長(34)は昭和33年5.1に配下の炭坑夫(29)のケンカ騒ぎを叱ったことでピストルで射殺されており、犯人の兄であり、この炭鉱採掘会社の幹部だった男性への報復かと思われたが、結局たんなるケンカ殺人として懲役5〜8年の不定期刑となった。
 なお、兄の炭鉱会社社長も昭和24年2.20に殺人を犯して刑務所に入った乱暴者で、また、今回の被害者男性は弟の裁判費用などで山田市会議員に金を借りた上に脅したことで恨まれ、義理の弟が昭和33年12.28に市会議員にめった切りにされて殺害されている。この義理の弟も同じ炭鉱会社幹部で昭和26年に殺人を犯しており、関係者一同が血にまみれていた。


昭和34年(1959).11.21〔23歳が父親射殺〕※参考
 奈良県桜井市の農家で、長男(23)が父親(44)の左胸を猟銃で撃って台座で頭を滅多打ちにして殺害、逮捕された。継母と関係しているところを見つかって、猟銃自殺しようとしたが罵倒されてカッとしたもの。6年前に母親が亡くなり、すぐに後妻が来たが、去年の10月から関係していた。


昭和34年(1959).11.24〔19歳大学生が他校の教授を撲殺〕
 東京都豊島区の立教大学構内で、大東文化大学2年生(19)が酔って侵入、立教大学教授の米人宅の窓ガラスを割って大声でわめき立てた。驚いた米人教授が「君は誰か」と言うと大東文化大生は教授を引きずり出し、駆けつけた友人が留めるのも聞かずに空手で顔や頭を何回も殴って殺害した。ふだんはおとなしいが酒を呑むと凶暴になる性格。米人教授は死ぬ前に「まだ若い学生だし、酔っているようだから、警察に許すように言ってくれ」と告げたという。地裁で懲役3年(求刑5年)の判決。


昭和34年(1959).11.26〔16歳が少年院でケンカ殺人〕
 静岡県静岡市の静岡少年院で、少年(16)が朝6時に少年(18)を撲殺した。ケンカしたもの。


昭和34年(1959).12.1〔高1ら5人がジャズ喫茶のために路上強盗〕
 東京都渋谷区で、工員(16,16,17)、無職(16)、高校1年生(16)の5人が辻強盗を繰り返し捕まった。ジャズ喫茶で遊ぶ金欲しさに、2月頃から強盗6件、脅し5件、窃盗4件、5万円を稼いでいた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).12.4〔15歳ニートがいじめ自殺〕
 東京都北多摩郡田無町(現在の田無市)の自宅で、少年(15)がガス自殺した。中学の時に地元の未成年不良グループに無理やり加入させられ、抜けようとすると暴力を振るわれたが、教師などが不良と掛け合い脱退して私立高校に進学した。しかし、またこのグループに登校中に付きまとわれるようになって学校に行かなくなり退学、父親の経営する会社に勤めたが、家に引き籠もるようになっていた。


昭和34年(1959).12.5〔中2が手製ロケットで爆死〕
 大阪府堺市の自宅で、中学2年生(14)が手製ロケットの実験中に爆発、死亡した。商社部長の3男で、自宅に実験室を持っていた。


昭和34年(1959).12.11〔17歳ニートが退学を恨んで校長に切りつける〕
 三重県松坂市の県立高校の校長室で、少年(17)が校長(55)にナイフで切りつけ1ヶ月の重傷を負わせた。7月に素行不良のため退学させられ、12.8にも校長宅に押し掛けて脅迫していた。警察に通報したことにカッとしたもの。


昭和34年(1959).12.14〔16歳が老婆に路上強盗〕
 東京都板橋区の路上で、無職(16)がナイフで老婆(68)を脅し百円を強奪してすぐに逮捕。小遣い銭欲しさ。


昭和34年(1959).12.16〔17歳がナイフで刺殺される〕
 東京都世田谷区のボロ市で、不良同士がケンカして、無職(17)がナイフで刺されて殺害された。工員2人が傷害致死で逮捕。


昭和34年(1959).12.19〔16歳高校生ら21人の少年万引団〕
 東京都世田谷区や大田区の無職(16)と高校生(16)をリーダーとする少年万引きグループ21人が捕まった。2月から東横線や目蒲線沿線の商店街で、120件22万円相当を盗んでいた。無職少年の母親は止めさせようとして2度も自殺を図っていた。この年の大卒公務員初任給10,200円。


昭和34年(1959).12.20〔19歳が無免許酔っぱらい運転で轢き逃げ〕
 東京都江東区の材木屋の運転助手(19)が、酔って無免許で大型トラックを運転し、男性(40)を轢き殺して逃走したが、すぐに逮捕された。無免許運転の前科がある。


昭和34年(1959).12.21〔18歳ら2人が強盗殺人〕
 北海道札幌市の雑貨商宅で、無職(18,19)2人が押し入り老女(63)を殺害、5万円を強奪して逃走、東京都渋谷区で逮捕された。遊興費欲しさ。


昭和34年(1959).12.22〔35歳主婦が隣家の幼児を誘拐殺人〕※参考
 大阪府大阪市で、主婦(35)が隣家の長男(1歳11ヶ月)に10円を渡してお好み焼きを食べに行こうと連れ出し、翌日深夜三時に京都市の疏水に突き落として溺死させ、12.30に逮捕された。近所の人に悪口を云われ、噂を広げているのは隣家の妻だと思い込んで復讐を謀ったもの。子供好きで、日頃からこの幼児をかわいがっていた。


昭和34年(1959).12.26〔小4女子2人が赤ちゃん連れ去り〕
 東京都練馬区で、主婦が長女(1歳7ヶ月)を乳母車に残したまま店で買い物をしているうちに行方不明になったが、深夜に近くに駐車中の車に置き去りにされているのが発見された。小学4年生の2人の少女が可愛くなって自宅に連れ帰り、ミルクを飲ませたり風呂に入れたりしていたが、処置に困って車に置いて逃げたもの。



※タイトルと本文が同じ短いデータはすべて「〔年表〕子どもの事件 1945-1989」山本健治 柘植書房より引用したもの。※



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『戦前の少年犯罪』 目次
1.戦前は小学生が人を殺す時代
2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3.戦前は親殺しの時代
4.戦前は老人殺しの時代
5.戦前は主殺しの時代
6.戦前はいじめの時代
7.戦前は桃色交遊の時代
8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
 9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代




少年犯罪データベース

13歳以下の犯罪

異常犯罪

戦前の少年犯罪


少年犯罪統計データ

少年の殺人統計グラフ

少年のレイプ統計グラフ

親殺し統計グラフ


子どもの犯罪被害データーベース



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主要参考文献

〔年表〕子どもの事件 1945-1989

戦前の少年犯罪

戦後死刑囚列伝 増補・改訂版

新聞集成昭和史の証言

新聞集成昭和編年史

日本の精神鑑定

日本長期統計総覧

年表 昭和の事件・事故史

昭和史全記録 1926〜1989

値段史年表 明治・大正・昭和

事件・犯罪大事典 明治・大正・昭和

20世紀にっぽん殺人事典

青少年非行・犯罪史資料1-3

教育事件・論争史資料

朝日新聞縮刷版

読売新聞縮刷版

毎日新聞縮刷版

警察白書

犯罪白書






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少年犯罪データベースが参考文献として掲載されています。



少年犯罪データベースのデータが引用されています。