横浜浮浪者連続襲撃事件
昭和57暮れから昭和58年2月にかけて横浜市中区の関内駅周辺や山下公園で野宿していた浮浪者たちが次々と襲われ、3人が死亡、13人が重軽傷を負われる事件が発生した。犯人は、市内の中学生5人を含む14歳から16歳の少年10人。少年たちは逮捕されたとき、「胸がスカッとした」「おもしろかった」などと語った。この事件は
(1)落ちこぼれの少年が、より弱者である浮浪者を攻撃の対象にしたこと
(2)犯行に加わった十人の少年の半分以上の家庭が、別居を経験していた
(3)非行を持て余した中学が、生徒を追放処分にした
等により社会に大きな衝撃を与えた。
浮浪者連続襲撃事件の経過
少年の環境等
その他のホームレス襲撃事件
昭和58年(1983).3.1〔河川敷の野宿者に中学生グループ投石、ケガさせる〕
京都府で河川敷の野宿者に中学生グループ投石、ケガさせる。
昭和58年(1983).8.1〔公園の野宿者、少年7人に襲われる〕
東京都で公園の野宿者、少年7人に襲われる。
昭和58年(1983).9.20〔中高生グループ、角材で野宿者襲う、2人ケガ〕
大阪府で中高生グループ、角材で野宿者襲う、2人ケガ。
昭和58年(1983).11.29〔少年2人、寝ていた野宿者に火をつける〕
東京都で少年2人、寝ていた野宿者に火をつける。
昭和60年(1985).10.22〔15歳らニート5人組が面白半分にホームレス襲撃〕
東京都板橋区の荒川河川敷で、無職少年(15〜19)4人と無職(20)の5人グループが、ホームレス(42)を金属バットやバールで袋だたきにして6ヶ月の重傷を負わせて橋の下に放置、11.9に傷害で逮捕。ぶらぶらして遊んでくらしており、「浮浪者いじめ」を計画したもの。他人の名前で寿司を注文して食べて詐欺で捕まり、自供した。
昭和61年(1986).8.〔中・高校生がホームレス襲撃〕
野宿の日雇い作業員が、中・高校生とみられるグループに大型爆竹と、こぶし大の石で集団襲撃され、2人が失明などの被害を受けた。(戸塚署) 警視庁「少年非行等の概況」引用。
昭和61年(1986).10.6〔中3女子ら12人がホームレス襲撃〕
東京都新宿区の西戸山公園で、元暴走族メンバーがホームレスを襲って逮捕された。少年(19〜17)3人と見張り役の中学3年生女子2人、無職(22〜20)の12人が、7.2と7.14に花火を至近距離から発射したり、石を投げたり、木刀で殴って、1人を失明させた。
昭和61年(1986).10.13〔中・高生、エアガンでホームレス襲う〕
大阪府大阪市の四天王寺境内で、中・高生3人組が、就寝中のホームレス5人をエアガンで襲い、傷害を負わせた。
昭和61年(1986).10.18〔サバイバルゲーム中に、野宿者襲撃で高校生を逮捕〕
大阪府でサバイバルゲーム中に、野宿者襲撃で高校生を逮捕。
昭和61年(1986).11.21〔中3ら4人がホームレス襲撃〕
大阪府で、中学3年生4人が野宿者襲撃事件をまねて、ホームレス(48)を「早く死ね」と竹ぼうきなどで殴打した。
昭和62年(1987).1.〔中3の5人がホームレス襲撃〕
中学3年生5人は、おもしろ半分に公園に野宿していた浮浪者をからかって棒等で暴行を加え、脳挫傷等の重傷を負わせた。(1月警視庁) 警察庁「少年の補導及び保護の概況」引用。
昭和62年(1987).5.14〔野宿の河川敷居住者に投石・放火した中学生5人補導〕
兵庫県で野宿の河川敷居住者に投石・放火した中学生5人補導。
昭和62年(1987).10.29〔釜ヶ崎の野宿労働者、中高校生らにエアガンなどで襲われる〕
大阪府で釜ヶ崎の野宿労働者、中高校生らにエアガンなどで襲われる。
昭和63年(1988).2.26〔中3ら6人組がスカッとするためホームレス襲撃〕
東京都台東区山谷地区の路上で深夜2時、中学3年生2人、高校1年生2人、無職少年(16)2人の6人組が、日雇い人夫(46)をナイフで刺して2週間の傷害を負わせ、直後に公園で寝ていたホームレス(53)を看板で殴って2週間の傷害を負わせ、3.16に逮捕。暴走族にからまれてむしゃくしゃして、「スカッとするため」と自供。
昭和63年(1988).10.3〔中学生5人がホームレスに暴行〕
兵庫県神戸市大倉山公園で、中学生5人が野宿者2人に消火器の泡をかけて暴行し捕まった。逃げ回るのが面白くてやったもの。
平成1年(1989).2.14〔コンバット遊びの中学生2人補導、野宿者襲う〕
大阪府でコンバット遊びの中学生2人補導、野宿者襲う。
平成7年(1995).10.〔有職少年2人によるホームレスに対する傷害事件〕
防水工事作業員(17歳)等2人は、鴨川右岸の橋下で寝ていた住居不定の男性(52歳)に言いがかりを付け、殴る蹴るの暴行を加え、全治1週間の傷害を負わせた。(10月、京都) 警察庁「少年非行等の概要」引用。
平成7年(1995).10.〔少年3人によるホームレスに対する傷害致死事件〕
無職少年(17歳)等3人は、公園のベンチに寝ていた被害者(69歳)に対し、「向こうに行け。」「無視するとは何事だ。」などと言いがかりを付け、頭部、顔面、腹部等を足蹴りするなどの暴行を加え、膵臓破裂による出血性ショックにより死に至らしめた。(10月、東京都) 警察庁「少年非行等の概要」引用。
平成9年(1997).1.〔有職少年等による傷害致死事件〕
有職少年(17歳)、無職少年(16歳、17歳)2人、高校1年生(16歳)の4人は公園で野宿していたホームレス(46歳)に対し「ケラチョ狩り」と称して集団で殴る、蹴るの暴行を加え、外傷性くも膜下出血により死に至らしめた。なお少年の供述によれば「ケラチョ」とは「虫けらっちょ」の略。(1月、東京) 警察庁「少年非行等の概要」引用。
平成12年(2000).6.15〔大学生らによるホームレス襲撃殺害事件〕
東京都墨田区亀沢のJR総武線のガード下で深夜1時、就寝中のホームレスの男性(68)が金属バットで殴られ死亡し、4人が傷害を負った。7.25に大学生(18)、アルバイト店員(19)は、会社員(20)の3人が逮捕。「日々の生活にいらいらしていた。ホームレスを殴ったり蹴ったりすると気分がスカッとする」と自供。
平成12年(2000).7.〔高校生らによるホームレス襲撃事件〕
高校1年生(15歳)、高校2年生2人(16歳、17歳)は、成人男性(20歳)とともに歩道上で寝ていた路上生活者2名に対して、殴る蹴るの暴行を加えるなどして、1名を暴行により死亡させ、1名に傷害を負わせた。(7月、大阪) 警察庁「少年非行等の概要」引用。
※参考
1640年代、十代だった徳川光圀(水戸黄門) は浅草のお堂で友人に「このお堂の縁の下で寝ている非人を引きずり出して、刀試しをしてみろ」とそそのかされる。一度は断わったが、「臆したか」と嘲られたので、奥へ逃げようとするひとりの非人を引きずり出し、「なんでこんなひどいことをしようとするのです」と命乞いする非人に、「私もそう思うが人が無理を云うので仕方ない。前世の業だと思え」と云って斬り殺した。
光圀の側近であった井上玄桐が、光圀から直接聞いた話として『玄桐筆記』に記している。少年がホームレスを殺害した、もっとも古い確実な記録ではないかと思われる。
十代の光圀は、派手な恰好をして遊郭に通い、ケンカに明け暮れる不良少年で、養育係も手を焼いていた。6歳の時には、処刑されて晒されている罪人の生首を持って帰るという奇行もあった。
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『戦前の少年犯罪』 目次
1.戦前は小学生が人を殺す時代
2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3.戦前は親殺しの時代
4.戦前は老人殺しの時代
5.戦前は主殺しの時代
6.戦前はいじめの時代
7.戦前は桃色交遊の時代
8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代
少年犯罪データベース
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